オバマ米大統領は28日(日本時間29日)、自身の信仰について「わたしは自分の意志でクリスチャンになった」と明言した。
オバマ氏は今月に入り、記者会見で自身がキリスト教徒であることを明言し、キリスト教会の礼拝に出席して信仰を強調してきた。
キリスト教系調査機関「ピュー・リサーチセンター」による8月の世論調査で、米国民の約18%がオバマ氏をイスラム教徒と認識していることが判明している。ニューヨーク9.11テロの現場近くにモスク建設の計画があることなどをめぐり、イスラム教に対する不信感が国内で広まっていることから、誤解を解消するためという見方が一般的だ。
この日、オバマ氏はニュー・メキシコ州を訪れ、米経済について市民らと意見交換をした。話の中で、オバマ氏は自身の生い立ちに触れ、「毎週欠かさず礼拝に行くような家族ではなかった」と明かした。
オバマ氏は、聖書に書かれているイエス・キリストの教えが自身の生き方を正しく導くと確信し、クリスチャン信仰を持つように導かれたと証しをした。
特に※「わたしの兄弟・姉妹に仕えること。人がわたしにするのと同じように、人にも接しなさい」という教えが印象的だという。
また、「イエス・キリストがわたしの罪のゆえに死なれたことを知り、わたしたち人類が互いに謙虚であるべきだということを示された。また、人間は罪深く、欠点が多く、過ちを犯すこと、そして神の恵みによってのみ人間は救いを得られると信じている」と語った。
クリスチャンとしての信仰をどう日常に生かしているかについては、「人のなかに神の姿を見出す」よう心がけ、「彼らが自分自身の恵みにたどり着くよう」祈っているという。
海外メディアによると、オバマ氏は大統領として「アメリカ合衆国の根本的な強さは、どのような宗教を信じても、信じていなくても、みな等しく受け入れる点にある。自分自身を尊重するように他者を尊重し、敬意を払うべきだ。これが恵みにたどり着く道であり、われわれの国は、この自由の上に成り立っている」と強調した。
続いて、同じ質問者に妊娠中絶について意見を聞かれると、オバマ氏は「中絶は安全で合法的、かつ希少であるべきだ」と述べ、決断は政府ではなく、家族と当事者である女性に委ねられるべきだ、と語った。妊娠後期の中絶については、ある期間を越えた妊娠の中絶は議論の対象が移るため、禁止している法律が数多くあることから、「適切に判断するべきだ」と述べた。
編注※ 正しくは「だから、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。」(マタイによる福音書7章12節)