【CJC=東京】ナイジェリア中部・プラトー州の州都ジョス近郊で3月7日、住民間の激しい抗争で500人以上が犠牲となった。
イスラム教徒からなるフラニ族の武装グループが、キリスト者が多数を占めるベロム族の村を襲撃したことで引き起こされた。
首都アブジャのジョン・オロルンフェミ・オナイエカン大司教は、この衝突の原因は古くからの民族的対立にあり、宗教的性質によるものでない、と指摘した。バチカン放送(日本語電子版)が報じた。
同大司教によれば、襲撃した側のフラニ族は放牧を仕事とする遊牧民族でイスラム教徒からなり、一方でベロム族は定住型の農耕民族でキリスト者が多い。
同大司教は、この争いが古くから見られる放牧者と農民の間の土地をめぐる対立、民族・文化・社会・経済的相違に端を発しているもので、今回の事件を安易に宗教対立として括るべきではない、と述べた。また、こうした暴力の背景に武器が簡単に手に入る環境があることにも憂慮を示した。
教皇ベネディクト16世は、今回の暴力衝突で、無防備な子どもたちをも含む非常に多くの人々が犠牲になったことに苦しみを表し、暴力は対立の解決にはならず、悲劇的な結果を増すだけであると、すべての人々の平和的共存を強く訴えている。