北海道函館市元町の函館ハリストス正教会の聖堂修復工事が今夏、9年ぶりに行われる。
同教会は、1859年にロシア領事ゴシケヴィッチが領事館内に聖堂を建設したのが始まりという長い伝統を持つ教会で、明治初期まで宣教の拠点として利用された。聖堂は1907年に一度焼失したが、1916年に再建され、1983年に国の重要文化財に指定された。函館湾に面した函館山中腹にあるため海風の影響を受け、外壁の漆喰がはがれやすく定期的な修復が必要となっている。
地元の北海道新聞によると、今回の工事は、十数カ所あるはがれた漆喰の塗り直し、破損したガラス窓の修復、内部のすす除去などで、6月頃から準備に入り、9月をめどに終わる予定。工事費480万円のうち文化庁が288万円、同教会と函館市が96万円ずつを負担する。工事中は聖堂に覆いがかかるが、内部への一般客の立ち入りは制限されない予定という。