高額な印鑑の購入を執拗に迫ったとして、大分県警は4日、いずれも世界基督教統一神霊協会(統一協会)信者と話している、元印鑑販売会社従業員でアクセサリー販売業・梶谷利恵子容疑者(57)とパート従業員・工藤淑江容疑者(48)を特定商取引法違反(威迫・困惑)の疑いで逮捕した。時事通信が伝えた。
県警によると、両容疑者は08年8月、大分市の無職女性宅を訪問するなどし「奥さんの名前の字画は良くありません。大凶ですね」などと言い、高額な印鑑の売買契約を執拗に迫った疑いが持たれている。女性が購入した印鑑は2セット計6本で約50万円。調べに対し、両容疑者は「そういう売り方はしていない」などと容疑を否認しているという。
統一協会関連会社のいわゆる「霊感商法」をめぐっては昨年9月、不安をあおって高額な印鑑や水晶を売り付けたとして大阪の印鑑販売会社「共栄」従業員の4人が、同10月には和歌山の印鑑・健康食品販売会社「エム・ワン」の従業員2人がそれぞれ逮捕されている。さらに今年1月には今回と同じく大分の統一協会信者夫婦が同様の手口で印鑑販売を行ったとして逮捕され、県警は統一協会大分教会や同協会関連の印鑑販売会社など計6カ所を家宅捜索していた。