ある時、歯科医国家試験を受けたばかりの方から相談がありました。イエス・キリストのお名前によって合格を祈り、「アーメン」のあとに「ありがとうございます。合格しました。感謝します」と言うようアドバイスしました。
数日後、「そう祈っても不合格だったらどうするのですか」と質問され、「その時はその時です」と答えました。すると、「そうですね。合格発表まで心配するよりも、その時はその時ですね」と素直に受け止めてくれました。幸い国家試験に合格し、今ではトルコで歯科医として活躍しています。
「その時はその時です」とは少し乱暴な答えに思えますが、聖書には、「どうか、私たちのうちに働く力によって、私たちの願うところ、思うところのすべてを越えて豊かに施すことのできる方に、教会により、またキリスト・イエスにより、栄光が、世々にわたって、とこしえまでありますように。アーメン」(エペソ3:20、21)とあります。願うところ、思うところのすべてをこえて祈りは聞かれると約束されています。
堺エリムキリスト教会は、好意により新築マンション内に綺麗な教会堂(35坪、10階建ての屋上と壁面には発光ダイオートの十字架、完全冷暖房やPAシステムも完備)を、3年間無償で提供されています。
しかし契約満期のために今月で返却せねばならず、契約上家賃を払って借りることは不可能でした。2月21日に最終の感謝礼拝を案内し、次回からの礼拝は堺市民会館会議室を予定していました。
その前日、マンションオーナーとの面談があり、心からの祈りと感謝とともにお交わりの時が与えられました。そのときオーナーから、私の願いや思いをはるかにこえた言葉をいただきました。
なんと、堺エリムの無償契約を1年延長し、その後も借りる教会がない場合は無償自動延長するという驚きを通り越した言葉でした。その場で「ありがとうございます。お借りさせていただきます。感謝します」とお礼を申し上げました。
3年契約が自動延長するようにとは微塵も考えず、祈りもしていませんでした。ところが愛なる神は、私が願いもしなかったにも関わらず、思いをはるかにこえたすばらしい祝福を備えてくださいました。オーナーとともに固い握手を交わし、事業のさらなる繁栄と健康と祝福を心から祈りました。
「今日もまた天国の一日です。今日もまた贅沢な恵みの一日です」と、朝ごと夕ごとに告白しています。そして常に祈りの心を持ち続けています。切羽詰まって七転八倒し、祈りすらできないようなときでも、聖霊の大きな助けと解決が神の栄光のために備えられていることを体験しています。
「神は言われます。『わたしは、恵みの時にあなたに答え、救いの日にあなたを助けた。』確かに、今は恵みの時、今は救いの日です」(コリント人への第二の手紙6:2)
「私たちはみな、この方の満ち満ちた豊かさの中から、恵みの上にさらに恵みを受けたのである」(ヨハネの福音書1:16)
榮義之(さかえ・よしゆき)
1941年鹿児島県西之表市(種子島)生まれ。生駒聖書学院院長。現在、35年以上続いている朝日放送のラジオ番組「希望の声」(1008khz、毎週水曜日朝4:35放送)、エリムキリスト教会主任牧師、アフリカ・ケニアでの孤児支援など幅広い宣教活動を展開している。