明治期のキリスト教プロテスタントの源流の一つとなった「熊本バンド」の結成134周年を記念する早天祈祷会が1月30日、熊本市の花岡山山頂で開かれた。夜明け前から焚き火を囲み、参加した信者や高校生ら約300人が賛美と祈りをささげ、同バンドの宣言文「奉教趣意書」を朗読した。地元の熊本日日新聞が伝えた。
「札幌バンド」「横浜バンド」と並んで明治期のプロテスタントの源流の一つとなった熊本バンドは、1876年、米国人教師L・L・ジェーンズの感化により多くの入信者を生んだ熊本洋学校の生徒35人が花岡山で集会を開き、「奉教趣意書」に誓約したことで始まった。
祈祷会では、参加した大学3年生の中村恭浩さん(22)が「奉教趣意書」の原文を、高校2年の西洋平さん(17)が口語訳を朗読。「ハイチの大地震では多くの人が今も苦しんでいる。世界の恵まれない環境にある人々に慈しみが与えられますように」(同紙)などと祈りをささげた。
熊本バンドのメンバーには、小崎弘道(日本基督教連盟会長、第2代同志社総長、日本基督教団霊南坂教会創設者)、海老名弾正(第8代同志社総長)、下村孝太郎(第6代同志社総長)らがおり、1876年に熊本洋学校が閉鎖されたあと同志社へ転校したメンバーらは、同志社のみならず日本に大きな影響を与えた。
1月30日の記念祈祷会は毎年恒例となっている。