・・・私が宣べ伝えた福音は、人間によるものではありません。私はそれを人間からは受けなかったし、また教えられもしませんでした。ただイエス・キリストの啓示によって受けたのです。・・・私は激しく神の教会を迫害し、これを滅ぼそうとしました。また私は、自分と同族で同年輩の多くの者たちに比べ、はるかにユダヤ教に進んでおり、・・・けれども、生まれたときから私を選び分け、恵みをもって召して下さった方が、異邦人の間に御子を宣べ伝えさせるために、御子を私のうちに啓示することをよしとされたとき、・・・。(ガラテヤ1章11節〜17節)
私たちはキリスト者ですから、イエスを信じて歩む喜びが生活の中に溢れてくるようにしたいと思います。そして、イエスの恵みを体験し、証しする者にされていきましょう。
今日開いた聖書の箇所を通して、改めて私たちの人生には、変えられ新しくされる1年を支える大きな恵みがあることを確認しておきたいのです。
使徒パウロがガラテヤの教会の兄弟姉妹たちに書き送った手紙の冒頭で福音の中心部分を語るときに、まず彼自身が体験した神からの恵みの証しを語ったのでした。それは、神の恵みによって変えられ、新しくされていく歩みの中には、否定することのできない大きな恵みの土台があることを私たちに教えています。
1.人間によるものではない出来事との出会い
信仰は、私たちの学びによって行き着いたものではありません。私たちが信仰を持っているのは、人間によるものではないと言える出来事と確実に出会っているからです。
私たちは全く不思議な導きと不思議な出会いの連続の中で今クリスチャンにされています。家でゆっくりしていていいはずの日曜日に、礼拝に来てあなたが座っていることを誰が想像したでしょうか。また、私との出会いがあるだろうと考えて人生を歩んでこられた方は、ほとんどおられないはずです。
パウロは語りました。そもそもこの福音は、人間によるものではなく、神の啓示によりイエス・キリストを通して与えられた不思議であると。私たちは人間によるものではない力を体験して、今ここに生かされている事実があります。神がこの土台の上に、この1年、私たちのために働いて下さり、さらに私たちは変えられ、新しくされるという事実を積み重ねて下さるでしょう。人間によるものではないものとの出会いの事実が、すでに私たちの人生には起こっています。
2.古い自分と今の私との間にある否定しがたい違い
古い自分と今の新しい自分との間にあるすさまじい違いという事実を、パウロは語ります。以前は、キリストの教会を迫害し、神への反逆者であり、律法の学びについては過信に溢れた鼻持ちならぬ者だったと語るのです。それは、彼自身の中に、過去の自分と新しい自分との間に、否定しがたい違いが事実としてあったからです。
あなたの心が、どれほど人々のために祈り、柔らかい思いと愛に満ちたものに変えられたことでしょう。ただお金が儲かればと思っていた仕事が、清い正しいことをしてお金を儲けたい、日曜日や集会のあるときには神の御前に出たいと願い、お金の使い方も、まず神に十分の一献金を捧げる者に変えられたはずです。カラオケの流行歌しか知らなかったあなたが、今は何百曲もの聖歌や賛美歌を知っているではありませんか。そしてイエスに自然に祈ることのできる者へ変えられているではありませんか。
私たちには、もうすでに変えられてきたという根拠があることを感謝したい。この事実の土台の上に私たちはさらに変えられ、今年の変新もまた事実となるのです。
3.鍵としてのキリストの存在
そしてパウロは、これらの事実は、昨日も今日もいつまでも変わることのないキリストの存在という事実によって今も支えられていると語ります。イエス・キリストが鍵なのです。イエス・キリストの存在は変わりません。パウロ自身、クリスチャンたちを迫害するためにダマスコ途上にあるとき、イエス・キリストの声を聞き、異邦人の間に福音を宣べ伝える者として出て行くように召されたのでした。イエスがいて下さったから、彼の人生は主によって用いられる奇跡の人生へと変えられました。
私は空想を語っているのではありません。私たちが、変えられ新しくされる理由は、私たちの人生にすでに神による不思議が起こったという事実、過去の自分と今の自分が変えられてきているという事実にあります。そして、その私たちを変える力となって下さったイエス・キリストが、今も働いておられるという事実です。
あなたのこの1年の日々にも、ここでパウロが告白していることと同じことが起こります。だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。変新する1年はイエスと一緒に動きます。イエスが共にいて、主の御名によって祈るときに、すばらしい御業が起こるから感謝します。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。