マレーシアのイスラム法廷は、ビールを飲んだ飲酒の罪でイスラム法により鞭打ち刑を言い渡し、その後、刑の執行を延期していた女性モデルのカルティカ・サリ・デウィ・スカルノ氏に対する刑の執行を命じた。同国営ベルナマ通信の情報としてAFP通信が28日、伝えた。
カルティカ氏は7月、ホテルのナイトクラブでビールを飲んだとしてイスラム法廷から鞭打ち6回の判決を言い渡されたが、同国政府側が「刑が厳し過ぎ、国の評判を傷付けかねない」との立場を示したこともあり、刑執行直前の8月下旬に突然釈放され執行は延期となっていた。
しかし今回、刑の見直しを行っていた東部クアンタンのイスラム法廷委員会が原判決を支持することを決定したという。執行日時はまだ決定していない。
イスラム教を国教とし、同教徒に対してイスラム法(シャーリア)を適用する同国の実態としては今月中旬までに、首都クアラルンプール近郊のイスラム法廷が同教徒のカップルに対し、結婚していないのに性交渉を持とうとした罪で罰金刑と鞭打ち刑の判決を下すなどしたことが報じられている。