米アリゾナ州グレンデールのメガチャーチ「コミュニティ・チャーチ・オブ・ジョイ」が27日投票を行い、129対0の全会一致で米国福音ルーテル教会(ELCA)からの脱会を決定した。コミュニティ・チャーチ・オブ・ジョイはELCA加盟教会中10番目に大きい教会で、登録信徒数は6800に上る。
同教会牧師のウォルター・P・カレスタッド氏は、ELCAニュース・サービスに対し、「ELCAと私たちの教会は方向性が異なっている。ELCAが選んだ道は、神が私たちを召された意図と一致していないと信じる。そのため今回ELCAを退く道を選んだ」と述べた。
同教会によると、ELCAのイスラエルに対する政策がイスラエルを支援するものではないという。また聖書の御言葉についても、ELCAが同性愛についての社会的立場について「同性愛者をクリスチャンライフにおいて孤立させてはいけない」との立場を示していることに反発している。同教会では、ELCAがウェブサイト上で聖書の書き手について「たびたび書き手によって神の御心の意味が異なることが生じている」との見方を示していることも非難している。
またELCAのルーテル・スタディ・バイブルについても多くの箇所で疑問があるとしている。たとえば、パウロ使徒が聖書の中で同性愛は明確な罪であると述べているにもかかわらず、ルーテル・スタディ・バイブルではこのことについて沈黙を保っているという。またELCAでは実際に同性愛者の聖職者による活動を促進するような働きを行っていることも非難している。先月開催された3年に一度のELCA総会では、「同性愛者の生涯において単婚を認め、相互の関係性を認める」ことに関して559対451で可決。同性愛に関する新たな声明文も同時に発表された。
同教会は今後、ELCAよりも小規模であるLCMC(Lutheran Congregations in Mission for Christ)とつながりをもっていくという。LCMCは、ELCAの方針に合致できないとする米国地方の諸教会により結成された「WorldAlone Network」から始まり、現在は全米38州世界8カ国のルーテル教会が加盟している。LCMCによると、過去6カ月でLCMCへの新規加盟を申し込んだ教会は10教会に上るという。