ジャン・カルヴァン生誕500周年を記念し、デザイアリング・ゴッド・ミニストリーズ09年年次大会が25日から27日までの3日間、米ミネソタ州ミネアポリスで開催された。同ミニストリーは、同州ベツレヘム・バプテスト教会牧師のジョン・パイパー氏が代表を務める団体。大会には数百人の改革派教会信徒らが参加した。25日には米カリフォルニア州ウエストミンスター神学校のジュリアス・キム准教授が講演。聖書の権威と真実性に対する確信が教会で失われていることに懸念の意を示し、クリスチャンはカルヴァンの声をより広く伝えるべきと訴えた。
大会のテーマは、「神の劇場でカルヴァンとともに」。カルヴァンは、聖書の御言葉のみが信仰の真実を教えるものであると主張し、プロテスタント神学で最初の組織神学書と言われる「キリスト教網要」を残した。その中で、「彼が世の人たちの監視者となるためにもっとも輝かしい劇場に彼を割り当てられた。彼がなすべき責務は聖書の御言葉を聞く耳を与えることだ。それによって彼はより豊かな恵みを得られるためである」と書いている。
ジョン・パイパー氏は、「カルヴァンは世界を、神の栄光が示される劇場であると見なしている。この大会の目的はイエスの権威を見つめ直し、神によってイエスが彼を通して神の御名をこの世界に知らせるという目的を今一度確認することです。神はその価値を図ることのできない栄光に満ちたお方です。私たちは、自分自身が何か重要な人物になることによってではなく、世界には誰にも比べることのできないほどの重要な存在がおられることを知ることで、自分自身の本当の喜びが得られるように創られた存在なのです」と述べた。
ジュリアス氏は、「聖書の御言葉について、多くの改革派教会の中で人間の手によって機能的に一部を実行して一部を実行しないような傾向が見られる。カルヴァンが宣べ伝えていたことを今一度振り返り、私たちの生きる意味を聖書の御言葉に見出せるようにしなければならない」と訴えた。また、「聖書のみに真実な権威があることが、なぜ重要なのでしょうか。カルヴァンにとっては、この正当性を得ることがもっとも重要な課題でした」と述べた。
ジュリアス氏は、「カルヴァンによると、神のみが栄光に値するお方です。世の終わりには、神の御名が高められることが最も重要なこととなります」と神の栄光について特に強調。また、新カルヴァン派の勢力が今日注目され始めていることも指摘した。
新カルヴァン派では、福音主義の主点となる部分や神の絶対的主権、また人間は堕落した存在であり、ただ信仰によってのみ義とされるという教義の部分が抜け落ち、資本主義の世界で富を得ることの正当性を強調する傾向にある。ジュリアス氏は、今日の新カルヴァン派が真実性を包含する必要があるとし、「改革派教会とは何かを理解するには、改革派教会の信徒が聖書について宣べ伝える必要がある」と語った。
福音主義者は新カルヴァン派が成長して出来たものだと見られていることについては、「カルヴァンは最終的にカルヴァン派を作りたかったわけではないでしょう。カルヴァンはただ聖書に忠実なクリスチャンを生み出したかったのです」と述べた。