宗教法人法で義務付けられている国などへの活動実態報告を行っていない休眠状態の宗教法人が昨年、04年の2倍近くに当たる1万3400件に上ったことが分かった。こうした休眠法人はブローカーらにより売買され、脱税などに悪用されるケースが後を絶たないという。
宗教法人は税制面で優遇される上、「信教の自由」への配慮から認証の取り消しもできなくなっている。これに目を付けたブローカーらが休眠法人の法人格を買い上げて転売。最近ではインターネット上で買い手を募るサイトまで出て来ている。
文化庁宗務課は今年、包括宗教法人のための資料として「不活動宗教法人対策事例集」を発行。包括法人の組織的・一般的な取り組みとして日本基督教団など10の事例を収録し、「不活動宗教法人」の解散を進めるよう呼びかけているが、あまり効果を上げていないのが現状のようだ。
こうした問題をめぐっては今年6月、長野県などでラブホテルを経営する宗教法人が、宿泊費などの一部をあろうことか「お布施」と偽って申告したとして、国税局から約14億円の所得隠しを指摘されたことが発覚している。