学校法人ルーテル学院(東京都三鷹市)は23日、同学院の創立100周年記念礼拝をルーテル学院大学チャペルで開催した。荘厳な雰囲気の中、ルーテル学院大学・神学校名誉教授の徳善義和氏が「神と人とに生きる」と題して説教。国内外から約600人が出席して会場は満席となり、別会場にも人があふれた。
「今、時が来ました。わたしたちは、日本の地に福音が語られるように祈りと共に捧げます」。100年前、米国南部一致ルーテル教会で捧げられた祈りが、マルクス・ミラー米国サザンルーテル神学校長によって礼拝のはじめに読み上げられた。続いて江藤直純日本ルーテル神学校長が、同じく100年前に日本のキリスト者が捧げた祈りを読み上げた。「御言葉が祈りと共に日本の地に宣べ伝えられました。わたしたちは御言葉に生き、主の召しを受け、さらに地の果てにまで御言葉を宣べ伝えていきます」。
礼拝の司式を務めた同学院大学・神学校チャプレンの河田優氏は祈りの中で、「ルーテル学院100年の歩みの中では、時としてこの世の困難がわたしたちの学校を襲うこともありましたが、いつもあなたが目を注いでくださり、力強い御手をもってお導きくださいました。あなたへの深い感謝と共に、わたしたちはこの礼拝において、あなたの愛と恵みを喜び、あなたに栄光を帰します」と述べた。
徳善義和氏は説教で、同学院の創立にたずさわった宣教師や初期の教師、生徒らの中に「神の言葉はつながれていない」という使徒パウロと同じ信仰の確信と宣教の決意が強くあったことを強調。「神のために生きるということは、神によって生かされているということから出発しなければならない」と述べた。また、「キリストの心を心として神と世に仕える人材を育成する」という使命をもった同学院が、いまその原点をもう一度見つめ直し、そこにつながるしっかりとした姿勢を貫かなければならないと語った。
徳善氏は、同学院の100年の歩みを振り返り、「過去においても、今も、これからも、このような宝を土の器の中に持っている」と語りたい、と述べた。「このような宝」とは、イエス・キリストのことである。同学院に連なる一人ひとり、また教会が、そのような思いを心のうちに持つようにと祝福を祈った。
聖餐の後、共同体の祈りとして、江藤神学校長と市川一宏学長、神学校卒業生、大学卒業生、教会員、海外ゲスト、学院関係者、在学生が、それぞれに感謝と未来への希望に満ちた祈りを神に捧げた。江藤神学校長と市川学長は祈りの中で、「この世の荒波の中にあっても、大きく成長し、豊かな実りが与えられたルーテル学院100年の歩みこそ、あなたの栄光の証しです」と声を合わせた。
その後、市川学長とマルクス・ミラー神学校長が記念品を交換し、両神学校の祝福を祈った。
礼拝には、海外ゲストとしてアメリカ福音ルーテル教会世界宣教局アジア太平洋部長のフランクリン石田氏、フィンランドルーテル福音教会海外宣教局アジア主事のシルカリーサ・フィフティネン氏などが出席。日本キリスト教社会福祉学会名誉会長の阿部志郎氏もかけつけ、礼拝後に挨拶した。