イタリアのベルルスコーニ首相の女性スキャンダルをめぐり、首相一族が経営する新聞とカトリック系紙が激しい非難合戦を繰り広げている。カトリック教徒が国民の大半を占める同国で教会側と対立することは、首相の支持率低下につながるのではとの見方も出ている。
発端はイタリア司教協議会の新聞アベニーレ紙の編集長ボッフォ氏が8月の社説などで、女性問題が指摘される首相について「節度がない」と非難し事実関係を明らかにするよう要求したこと。
これに対してかつて首相自身が所有し、現在は弟が経営するジョルナレ紙が「ボッフォ氏は同性愛者で、過去に好意を寄せた男性の妻に嫌がらせをして罰金刑を受けた」などと報道。同氏はこれを否定し、ローマ教皇ベネディクト十六世も同氏への支持を表明したが、ジョルナレ紙の報道は止むことがなく、同氏はついに辞任に追い込まれた。
なお、首相は自身の女性スキャンダルを報じた同国やスペインの新聞を相手取り、名誉棄損の訴訟を起こしている。