スイス・ジュネーブで中央委員会を開催している世界教会協議会(WCC)は27日、新総幹事にノルウェー・ルーテル教会のオラフ・フィクセ・トゥヴェイト氏(48)を選出した。トゥヴェイト氏は、サムエル・コビア前総幹事の後任として第7代目総幹事に就任し、世界最大のキリスト教エキュメニカル組織であるWCCの最高執行役としてその任務を遂行することになる。
48歳という若さは、WCCの設立時期に初代総幹事として就任したウィレム・A・ヴィサートゥフト氏(オランダ)以来の最年少となる。新総幹事の候補者は中央委開催前にすでにトゥヴェイト氏と、パク・ソンウォン氏(韓国ヨンナム神学大学教授)の2人まで絞られており、中央委員での選出は非公開で行われた。
選出前の受諾演説でトゥヴェイト氏は、「この任務はまさに神の召命だと感じている。我々には共になしていかなければならないことが多くあると感じている」と述べ、選出過程のすべてにおいて「一致の精神」が支配していたと語った。また、この精神が今後のWCCの歩みにおいても持たれ続けることを期待すると語っていた。
トゥヴェイト氏はこれまで、ノルウェー教会協議会(CNC)のエキュメニカル・国際関係部門総幹事のほか、WCC信仰職制委員、ノルウェー・キリスト教協議会(CCN)理事、執行委員などを務めてきた。
就任決定後、トゥヴェイト氏は記者団に対し、就任について感謝を表明し、「共に世界のために仕えていく道を(教会が)見い出していかなければならない」「私は現実的だがまた楽観的でもある。我々には共になすべき多くのことがある」と述べ、WCC新総幹事という新たな使命に強い意欲を示した。
また、キリスト者がイスラム教徒に対して良き隣人となることが重要だと指摘。「WCCが、世界中のキリスト教徒とイスラム教徒の関係を強化し、改善することにおいてリーダーシップを発揮できることを期待している」などと語った。
ウォルター・アルトマンWCC議長は、04年以来、6年にわたってWCC総幹事を務めてきたコビア氏に対して感謝を示し、トゥヴェイト氏の就任を歓迎した。
一方、英国国教会(聖公会)の代表として中央委に参加したトム・バトラー・サザク教区主教は、トゥヴェイト氏の就任が「非常に積極的な結果」だったと述べ、「我々には世界の異なる地域を出身とする非常に素晴らしい2人の候補者がいたが、(選出の)結果は、神によりこの働きに呼ばれていると心深くで感じていた、真剣な心の持ち主の就任であった」と語った。
また、「トゥヴェイト氏は、人々の協力を導くことに、また肯定的な精神のもと協力して働きを進めることにおいて実績を持っている。彼がこの困難な時代において世界教会協議会を導く上で非常に多くの賜物を持っていると思う」と評価した。
新総幹事の選出は、昨年2月にコビア前総幹事が任期満了とともに再任を求めず、退任する意向を示したことから選考委員会が組織して行われてきた。今年4月までに候補者は6人にまで絞られ、オランダで6月に開かれた選考委でトゥヴェイト氏とパク氏の2人が最終候補者として選ばれていた。
26日から始まった中央委は9月2日まで続き、1日には次期総会の開催地について審議が行われ、韓国・釜山、シリア・ダマスカス、エチオピア・アジスアベバの中から決定される。
WCCには世界349の教団・教派が加盟しており、所属するキリスト者の総数は5億6000人と、キリスト教エキュメニカルの立場では世界最大の組織である。