【CJC=東京】米国のカトリック修道女団体『女子宗教者指導会議』(LCWR)は8月10日、バチカン(ローマ教皇庁)が行い、それに協力した「調査」について疑念を表明した。修道会総長・管区長など約800人で構成される同会議は、調査の「動機と経費について完全公開されていない」と指摘している。報道担当のアンマリー・サンダース修道女は「透明性がない」とAP通信に語った。
バチカン教理省はLCWR関係者に新たに「教義的調査」を行うと2月20日、書簡で通知、同省長官のウイリアム・ジョセフ・レヴァダ枢機卿からの書簡をLCWRは3月10日受領している。レヴァダ枢機卿は、その書簡で、初め2001年に最初の教義面での関心を抱いてから調査に着手していた、ことを明らかにした。
調査は、米国内で活動している修道女約5万9000人を対象にしたもの。教義への関わり方で不公正な質問があったなど、評価への疑念を私的に表明した人もいるものの、ほとんどはコメントには慎重だった。
ただ8月初めニューオーリンズで開かれた同会議大会で、会長を退任するJ・ローラ・ダンブロスキー修道女が、福音を創造的に生き抜くことへの挑戦だ、と調査を評価、修道女にとって「決定的な時」だ、と語った。
バチカンの報告書は341修道会の指導者に送付されたという。「生活の質について純粋な関わりについて建設的な評価」を目的としたものだ、とされているが、質問の中には、教会に不誠実だと推定される懸念を確認するためのものもあったという。
バチカンはLCWR自体についても「教義上の評価」を公表した、とAP通信は報じている。