韓国の金大中(キム・デジュン)元大統領(85)が8月18日に死去したことを受け、親交のあった韓国教会の指導者からは元大統領に対する追悼の声が相次いだ。同国の教会指導者らは、進歩・保守の両立場から、韓国社会の民主化と南北平和に寄与したとして元大統領の業績を労った。
同国では最大の保守系教会が組織する韓国基督教総連合会(=CCK、オム・シンヒョン代表)は「金大中元大統領の死去に深い哀悼を表す」とし、「金元大統領は激動する韓国の現代史の中で、その一生を政治家として韓国の民衆化と南北平和のためにささげ、大いに寄与した」と元大統領の働きを評価。「全国民ととも哀悼し、遺族らに神の慰めと平和がともにあることを祈る」とした。
一方、進歩系の教会が中心となる韓国基督教教会協議会(=NCCK、キム・サムファン会長)は「最近、病勢の悪化により入院されたが、生涯にわたって経た様々な苦難の中で、その生死の岐路に立つ時常に立ち上がった(元大統領)のことを覚え、今回も健康を回復されると信じていたが、死去の消息を聞き驚きを禁じえない」と哀悼の意を表明した。
また、同協議会は「金元大統領は独裁政権の下で民主化をもたらし、南北対話と両国の首脳会談を通して民族統一の新しい場を切り開いた。さらに、元大統領の在任期間中にはIMFによる援助・管理を受けざるを得なかった国家的な不渡り寸前の経済危機を克服し、人権と平和を我が社会の基本価値として確立した」と評価した。
同国の牧師らで組織する韓国教会言論会(キム・スンドン代表)は「金元大統領は我が社会の激浪期における政治的発展に貢献した。特に1970年代以後の民主化運動に大いに尽くした。また人権拡大、統一運動にも一定の寄与をした」とし、特にカトリック教徒である元大統領について、「金元大統領が苦難に置かれているたびに、彼を支えてくれた力は信仰だった」と言及。「最近は、自身に対して死刑宣告を下した勢力を容赦したことについて、信仰の力であったという発言もしていた」と伝えた。