【ケープタウン=ENI・CJC】南アの国内バス路線を運行するインターケイプ交通社が、乗客から苦情が出ているもののキリスト教映画の車内上映を継続する、と発表した。同社はバス65台を所有、月間6万〜10万人を輸送している。
「わが社は信仰厚いし、キリスト教を基盤にした娯楽を提供すべきだと信じている」と同社のアドレ・ザンドバーグ報道担当は語った。
車内上映を請け負っているハンブル・パイ・エンタテインメント社は、乗客15万人に調査した結果、25%は「完全に満足」ではなかったが、苦情を言った人は僅か3人だった、と言う。
ハンブル・パイ社のピート・ルー部長は、キリスト者だという南ア市民の8割のために提供している、と語った。映画を見ることを強制されるわけではなく、家族の価値を強調する内容は性的にきわどいものや暴力的なものを避けている、と言う。現地紙スターが7月24日報じた。
乗客は車内のテレビ・スクリーンを操作出来ない。上映されるのは、創造論者の見方に立って野生生活を記録したドキュメンタリー形式のものや、映画、音楽、広告など。
現地のケープトーク・ラジオに7月24日電話して来た女性は、ポートエリザベスからケープタウンまでの800キロのバス旅行で、見なければならなかった「ゴスペル」番組で不愉快だった、と言う。
インターネット・サイトにも乗客が、「旅のほとんどで、一連の過激なキリスト教宣伝、それも粗雑で不誠実なものから逃れられなかった」と書き込んでいる。
両社の担当者が出した声明では「巨大映画会社がやっているように誰かのノドに何でも流し込むことを強制してはいない。オカルト、性、魔法を強制してもいない。それを受け入れるかどうかは自分で決めることが出来る」と述べている。