【CJC=東京】国連経済社会理事会(ECOSOC)は、ジュネーブで開催した会議で7月27日、NGO(非政府組織)『ダイナミック・クリスチャン・ワールド・ミッション』(本部・米カリフォルニア州ガーデナ)の国連オブザーバー資格認可申請を23票対22票で拒否した。
同団体は韓国と米カリフォルニア州ではNGOとして認められている。ロシア、キルギスタンなどで教育を通じキリスト教を伝えることを目的としているという。
国連憲章第71条では、NGOがオブザーバーとして参加することが規定されている。1946年に経済社会理事会のNGO協議制度がつくられた。開発、環境、人権等において顕著な活動をし、一定の資格要件を満たすNGOに対し、審査の上、「協議的地位」を認めるというもの。認可された団体は一般に「国連NGO」と呼ばれる。
同団体が2007年に認可申請した際、キム・キュンスー会長は、米、露、韓、日、キルギスタンの会員数を明らかにしたが、中国の会員については「宗教活動が自由ではない」ことを理由に提示しなかった。
中国は、同団体に中国内のメンバーの名前と所在の公表を要求したが、それに応じなかったことを「非礼」と反発、認可に反対した。
米国のジョン・サッミス代表は、特定の国の会員の名前や住所を提示する義務はないとして、今回は認可を要求しないが、申請を非政府組織(NGO)委員会に差し戻し、条件を満たしているか再検討することを求めた。中国のワン・クン代表は、委員会の権威を損なうとして反対、同団体が質問に正面から答えないのは、無責任であり、委員会に敬意を払うものではない、として国連活動に貢献する能力があるとは思えない、と主張した。
ロシア、エジプト、キューバ、パキスタン、スーダンなども疑念を表明、インド、インドネシア、中国、マレーシアなどが反対票を投じた。キューバ代表は、キリスト教NGOは「言い逃れ戦術」を取る、と述べた。一方、米、加、仏、独、日本などは認可に賛成した。
キム会長は28日、韓国で通訳を通じ、社会主義国である中国の立場は理解するが、国連がそのまま同意するべきではなかった、と語った。同団体は中国に宗教的な目的で入ろうとするものではなく、「発展を助ける道を見出そう」としており、政治には関わらない関係を結びたいと言い、将来には認可されることを期待する、と語った。