種子島で洗礼を受けクリスチャンとなり、その後奈良県生駒市の生駒聖書学院に入学。現在、同学院院長と8つの教会の主任牧師を務める榮義之牧師が、22日から同学院神学生3人を同行して九州本島の4教会をめぐる巡回伝道を行い、日曜日の26日には母教会である西之表基督教会で、実に50年ぶりとなる故郷・種子島での礼拝をささげた。
榮牧師は同学院に入学後、帰島のたびに同教会ではメッセージを伝えてきたが、日曜日には一度も帰島したことはなく、今回は故郷での半世紀ぶりの礼拝となった。25日、一行は鹿児島‐種子島間を結ぶ高速船「トッピー」で種子島へ向い、26日には約30人の会衆とともに礼拝をささげた。初めて礼拝に参加した人も「イエス・キリストを信じる祈りに『アーメン』と応答してくれた」という。
25日には、種子島を初めて訪れたという神学生らと、種子島最南端でポルトガル船が座礁し鉄砲が日本に伝来した地である角倉崎や、種子島宇宙センターなどを見学した。
種子島着任51年を数える同教会の池田公榮牧師は、70〜75歳までの5年間は、かねてからの念願であった中国宣教に自費で行っていた。江西省九江市(人口400万人)にある九江大学(学生2万人)で日本語教授として教え、公認教会や家の教会などで福音を伝えてきた。後任牧師が退職したため再び種子島に帰任し、現役で牧会伝道を行っている。
同教会は、学校法人明朗幼稚園と教会幼稚園を運営しており、種子島でも大きな影響を与えている。池田牧師夫妻は幼児教育の専門家でもあり、池田牧師はロータリークラブ会長やその他の要職も兼任し、種子島全体にキリストの香りを与えている牧師である。
一行は26日夜には、中種子町(人口5000人)にある日本バプテスト連盟種子島新生キリスト教会(沼田俊昭牧師)の特別伝道会にも訪れ、榮牧師が説教。榮牧師の中学1年時の担任教師をはじめ、中学生時代の同級生や、誘われて教会に始めてきた人も参加し、福音に耳を傾けた。榮牧師は「15人ほどの集まりだったが聖霊の臨在あふれる集会だった」と感想を語る。沼田牧師は今年、種子島での伝道40年目を迎え、記念誌を発行したいという。
一方、22日からの九州巡回伝道は、福岡県では150人以上が礼拝に集う3000坪の敷地を有する久留米ベテルキリスト教会(久留米市、吉田有年牧師)と1000坪の敷地に15坪のプレハブを構えて今年開拓伝道3年目を迎えるイエスの家教会(同、牧山祐子牧師)、ノアの箱舟をかたどった教会の八女フロンティア祈りの家(八女市、近藤雅子牧師)を訪問。鹿児島県では、鹿児島シティチャーチ(鹿児島市、勝郁也牧師)を訪れた。八女フロンティア祈りの家の近藤牧師は小児麻痺で足の自由が利かないが、その足で八女市内全域に毎日ポスティングをしながら福音を伝えている情熱家だという。
種子島にある教会の平均礼拝参加人数は10人前後で、榮牧師は「さらに大きな福音の前進のために、毎年でも帰島したいと願っている」と1週間の巡回伝道を終えて感想を語った。