【CJC=東京】英国国教会で主教削減論が出ている中で、最高指導者カンタベリー大主教が、スティーブ・ヴェンナー氏を「従軍主教」に任命すると発表した。キリスト教シンクタンクの『エクレシア』がこれを受けて、「非武装集団」に従軍牧師がいても良いのではないか、と提案している。米宣教通信ANSが報じた。
欧米などのいわゆるキリスト教国では、従軍牧師(司祭)制度をとっている所が多い。
『エクレシア』は平和運動団体『クリスチャン・ピースメイカー・チームズ』と協同している所から、今回の提案を、教会指導者が平和建設へのキリスト者の関わりを重要視していることを強調するのに役立つ、と示唆している。
キリスト者は、世界各地で平和建設、調停、非暴力的な紛争解決に関わっている。さらにそのような活動の重要性を政策決定者が強く意識するようになっている、と『エクレシア』は指摘する。
『エクレシア』のジョナサン・バートリー共同ディレクターは「非暴力の平和建設者の活動は、戦闘地域の危険や恐怖の中で行われることも多く、現代の陰の功績の一つだ。そのような英雄的な活動がもっと認められるようにならなければ残念。教会が平和のメッセージを口にしながら、公式に認知するのが軍隊だけ、というのは不手際もはなはだしい」と言う。
『エクレシア』は、英国国教会で、戦略的な平和建設の重要性について意識が強まっている、と見る。ウエイクフィールド主教は7月初め上院で初めて演説したが、その際、紛争防止を優先するよう政府に提案、国際的な保護の問題に「国家中心」が行過ぎないよう警告した。
『エクレシア』が取り上げた非暴力構想には、紛争状態にある人たちが平和建設するのを支援、訓練する『レスポンディング・トゥー・コンフリクト』、『クリスチャン・ピースメイカー・チームズ』、『エキュメニカル・アカンパニメント・プログラム・イン・イスラエル・アンド・パレスタイン』(EAPPI)、『ピース・ブリゲイズ・インターナショナル』などがある。