暑い夏がまたやって来ました。今年の梅雨は短い間に終わってしまったので、水不足に悩まされる夏にならなければ良いと思っています。ここ数年は異常な暑さが襲って来ていますので、皆様もどうぞ暑さ対策をしながら、健康には十分にお気を付け下さい。
6月に驚かされるニュースが、世界中の人々の元へ届けられました。歌手の Michael Jackson が亡くなったのです。私は彼の熱烈なファンではありませんでしたが、ちょうど私たちが高校生のころ、少しずつ外国のことに興味を持ち始め一所懸命に「MTV」や「FEN」などから流れていた曲をチェックしていたとき、彼の歌がほぼ毎日 request されていたのを覚えています。
Apropos「ちなみに」、私が最初にハイデルベルクで下宿した時の Die Mitbewohnerin「同居人」は、彼のポスターを部屋に貼っていたほどの大ファンでした。
かつては一世を風靡した Michael でしたが、晩年には彼の奇行ばかりがマスコミで取りざたされ、アーティストとしての業績よりも私生活の方に世間の注目が集中していたようでした。
私の中で Michael Jackson と言えば“Billy Jean”,“ Thriller”に“Bad”など、数々のヒットを生み出したアメリカのスーパーアイドルと言う印象がとても強いのですが、その他に“We are the World”と言ったアフリカ救済活動に一躍買って出た人物としても、忘れられないアーティストの一人となっています。
もちろん私は彼に会ったことがありません。ですから彼がどういう人物で、本当はどのようなことを心に思っていたのかは分かりません。けれども彼が残した歌を聞いていると、この世界をとても愛していた人ではないかと思うのです。そして、お互いが慈しみ合う世界を常に求めていたのではないでしょうか。
人には当然いろいろな側面があるはずなのに、その人物のある一部分だけを取り上げて偏った見方しか出来ないことはとても悲しいことです。
貧しい国の人々に視点を置くことのできた Michael は、きっと優しい人だったのでしょう。あるコメンテーターは彼のことを「優しい人だから、その分傷付きやすい人でもあったのでしょう」と言っていました。けれども私は「優しい人は、往々にして弱い人である」と言う意見には疑問があります。「優しい人」と言うのは「良い人」とは違います。そしてもちろん、「皆から好かれる人」とも違います。私もこのことに、ごく最近気付かされました。
ドイツ語に Jedermanns Freund ist niemandes Freund.「八方美人は真の友だちではない」ということわざがあります。私も以前は「八方美人は信用できない」と頑なな心で過ごしていました。けれども神様に本当の優しさと言うものを教えられ、心にある濁ったものが少しずつ濾過されているような、爽やかな気持ちで歩むことが許されるようになりました。まさに目から鱗です!この思いも、やはり祈りによって与えられたものでした。
「優しい心」は何かをいたずらに恐れたりはしません。隣人を愛することができるので、絶えず和解を求めています。ですからその心から厳しい言葉が発せられたとしても、誰かを攻撃しようとしたものではありません。「優しい心」は「愛」と共に育って行きます。誰かの敵になろうとは思いません。
Michael Jackson は Heal the World の歌詞の中に「この世界は、本当はすばらしい所なんだ。そして、今よりもっとすてきな所へと変えることが出来る」というメッセージを残しています。
その可能性は、私たちの心の内にある Die Liebe「愛」と Das Gewissen「良心」によるのです。皆様の心にも、神様によって「優しさ」の種が蒔かれ、それが大きく成長させられて行きますように。
【by Tokyoterin - 東京在住の女性クリスチャン】