日本を代表する説教者の一人で「説教塾」を主宰する加藤常昭牧師が9日、横浜市のパシフィコ横浜で開かれた「日本プロテスタント宣教150周年記念大会」2日目の基調講演会で講演した。「神の言葉に生かされるキリストのからだ・教会」と題したこの日の講演で加藤氏は、日本宣教における説教の歴史を振り返り、「(説教において)今日の教会がしなければならないのは、『神が今生きておられる』ということを示すこと」と述べた。
「日本の伝道は日本の説教を抜きに語れない」。加藤氏は、日本のキリスト教草創期の説教者である植村正久(1858〜1925)の言葉に触れ、病気の患者を治すのが医者の仕事であるのと同じように、伝道者は魂を救ってこそ伝道者であると強調。求道者が悔い改めに導かれ、その場でイエス・キリストに出会えるような気合いの入った説教を日曜礼拝でする必要を訴えた。
加藤氏は、「伝道の実りの少ないのは説教者の責任」と指摘。同時に、「(教会が担うべき戦いを)説教者一人では戦えない」と述べ、信徒が教会をどう建てあげるかが重要であると説いた。
そのうえで、自分の要求を満たす牧師を探し回るようなわがままな信徒のことで多くの牧師が苦しんでいる現状を指摘。キリストの体である教会のあらゆる組織は、「(キリストが統治する)キリストクラシーが実現するときにだけ意味をなす」と述べた。
最後に加藤氏は、それぞれの教会でプロテスタント宣教150周年を覚えての集会を開いてほしいと話し、「(その集会でみなが悔い改めて)キリストの体をキリストにお返しください」と呼びかけた。