鑑定と称して不安をあおり高額な印鑑を売りつけたとして東京・渋谷の印鑑販売会社「新世」の社長を含む7人が逮捕された事件で、同社と密接な関係にあるとして調査が進められていた世界基督教統一神霊協会(統一協会)の徳野英治会長(54)が13日、東京都内で記者会見を開き、辞任することを発表した。共同通信が伝えた。
同通信によれば、徳野会長は社会に心配をかけ、一般信者にも迷惑をかけたなどと辞任の理由を説明。新たに、教団幹部の梶栗玄太郎(72)が新会長に就任することが発表された。
逮捕容疑によれば、「新世」社長の田中容疑者らは07年10月から今年2月までの間に、渋谷駅周辺で30〜60代の女性5人を勧誘し、同社事務所で姓名鑑定だと言い、「先祖の因縁がある。このままでは家族が不幸になる」などと不安をあおって、1本16〜40万円する印鑑を13本売りつけたことが疑われている。現在7人のうち2人が起訴、5人が略式起訴されている。
同社は販売実績や顧客情報を統一協会に報告していたとされており、これまでの調査で、同社事務所から印鑑の購入者を統一協会に入信させるためのマニュアルも押収されている。警視庁は同社と統一協会との間に密接な関係があると見て調査を進めているが、統一協会は関係を否定しており、今回の記者会見でも徳野会長は「統一協会は信者の経済活動の指導はしていない」と否定した。