「日本プロテスタント宣教150周年記念大会」(同実行委員会主催)2日目(9日)の記念式典で発表された大会宣言全文は次の通り。
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「キリストにあってひとつ」―主イエスの証し人として―
私たちは、プロテスタント宣教150周年の記念すべき年を迎え、ともに祝うことを得させてくださった神に、まず心からの感謝をささげます。また何よりも150年前、切支丹禁令の高札が撤去される以前、主のみことばを携え、人間を漁る漁師として、幾多の困難を克服し来日した多くの宣教師と、彼らを派遣し、祈り、支え続けた米国をはじめとする世界各国の教会に心から敬意をあらわしたいと思います。この人たちは日本人の救いのために伝道しつづけ、教育、文化、倫理など、日本社会に多大な影響を及ぼしました。
また、この宣教150周年の恵みを思う時、今から460年もの昔に、日本の土壌に、フランシスコ・ザビエルがキリスト教信仰の種をまいたことの重さも、改めて認識せずにはおられません。さらに、プロテスタント宣教師バーナード・ジャン・ベッテルハイムによって、163年前に琉球に福音がもたらされ、聖書翻訳が試みられ、プロテスタント宣教の道が開かれたことも忘れてはなりません。多くの艱難、試練にもかかわらず、今、福音をもたらしてくれたこれら先人の信仰に啓発され、思いを馳せる時、いつしかその恵みに慣れ、十分応えて伝道してこなかった私たちの怠慢を悔い改め、深く反省します。
教勢の低下、献身者不足などによる教会の閉塞感が、現在の日本のキリスト教界を覆う中、この150周年の恵みに与り得た私たちは、福音宣教への覚醒をもって立ち上がりたいと願っています。
今回、主による一致のもと、この150周年記念を迎えようとの祈りが起こされ、諸準備の段階から日本キリスト教協議会、日本福音同盟、日本リバイバル同盟など、それぞれの加盟教会や単立教会も含め、プロテスタント諸教会が教派、教団を越えてともに祈り、力を合わせることができたのは大きな神様の恵みです。この記念大会には「キリストにあってひとつ―主イエスの証し人として―」というスローガンが掲げられ、宣教150周年はこの言葉を実現する機会を私たちに与えてくれました。今後、各教派、教団の特徴を生かしつつ、共通の福音宣教の使命のために一致して熱く邁進しつづけます。
プロテスタント宣教100周年から50年たった今、日本のキリスト教界も大きく変化してきました。戦争責任告白を公表する一方、教会と社会への宣教の在り方をめぐって激しく揺れ動き、また大衆伝道を通して多くの福音の種がまかれてきました。
神の国を目指すキリスト者の社会のかかわりは福音によるものであり、神様の豊かなる恵みによるものです。聖書のみことばに生かされて伝道の使命を果たしていくことが、更に求められています。
折しも百年に一度ともいわれる経済危機が、日本をふくめ全世界を覆っています。そのような中で宣教150周年を迎えました。私たちは信仰の先達から渡されたバトンを将来へと引き継ぎ、イエス・キリストが与える命の豊かさの中から、聖霊の助けをいただき、これからの宣教の幻を期待します。150周年を契機に、十字架と復活の福音を伝えるために、一致協力してあたっていく決意を、ここで賛同者一同の願いとともに大会声明として宣言します。
願わくは 主なる神 主イエス・キリストが私たちをよく用い給わんことを。 アーメン(会衆一同)
2009年7月9日
日本プロテスタント宣教150周年記念大会参加者一同