平日午後1時半の集会にもかかわらず、会場は満席となった。約1年ぶりの開催となるレイモンド・ムーイ氏の来日講演セミナーが1日、東京・銀座の教文館ウェンライトホールを会場に3日間の日程で始まった。初日の集会から100人以上の参加者が詰め掛けるなど、セミナーへの関心の高さをうかがわせた。
ムーイ氏は、イスラム教が国教のマレーシアで神学校「スクール・オブ・アクツ(School of ACTS)」を設立。今では東南アジア5カ国を拠点に毎年500人以上を宣教の現場へと送り出している。また、マレーシアで戦後初となるキリスト教系総合大学「ライフ・カレッジ(Life College)」の創設者、現理事長でもある。毎年、アジアを中心に世界各国で数千、数万人規模の大集会を開催し、聖書の福音を伝えている。
「神様があなたの父なのだと知ってください」―ムーイ氏は繰り返し、聖書の神は、それを信じる者にとって父のような存在であり、絶えず子の必要に関心を寄せて「まどろむことなく、眠ることもない」(詩編121:4)と強調した。
少年時代、生後まもなく親に捨てられたという暗い過去を背負い、「私には生きる価値なんてない。将来もない。みんな私をきっと嫌うに違いない」といつも考えながら、絶望の淵に沈んでいたというムーイ氏。あるとき聖書に出会い、そこに「父なる神」の存在を見出したとき、「神のうちには私の生きる計画がある」と確信した。
ムーイ氏は、「『何を食べようか』『何を飲もうか』『何を着ようか』」という日常的な悩みは、「みな、異邦人(神を信じない者)が切に求めているもの」であると強調。「天の父は、これらのものがみなあなたがたに必要なことをご存じ」「父なる神を知れば、あなたは心配から解放される」と語った(マタイ6:31〜32)。
また、海外の集会で起こった神のいやしの奇跡を紹介しながら、人には不可能なことも「神は可能にしてくださる」と力を込めた。
集会の最後に、ムーイ氏がイエス・キリストの御名によって病のいやしを祈ると、その場にいた多くの人々の病が次々といやされた。
ある女性は、病院に行っても治らず、2年間も悩まされていた関節炎による右手の痛みが、集会最後の祈りの瞬間になくなった。また、右ひざの軟骨がずれて、階段を一段ずつしか下りることができなかった女性は、痛みがなくなり、足を高く上げて走れるようになったばかりか、それまでできなかった正座までできるようになった。
他にも、▲曲がっていた背骨がまっすぐになり、痛みがなくなった、▲慢性的な腰痛がなくなり、それまでまったくできなかった前屈で、足の先まで手が届くようになった、▲聖書のメッセージを聞いているときに肩が温かくなり、それまで感じていた痛みがなくなった、▲集会直前まで8センチあった腹部の腫瘍がなくなった、▲祈りの途中で外反母趾が治り、痛みがなくなったなど様々ないやしの奇跡が起こり、会衆はいやし主である神を賛美した。
セミナーは3日まで続き、連日午後1時半と午後6時の1日2回の集会が開かれる。