【CJC=東京】中国国営新華社通信は6月24日、民主化を求めて昨年末に発表された「零八憲章」の呼び掛け人の1人、作家の劉暁波氏(53)が政府転覆扇動などの容疑で正式に逮捕されたと伝えた。北京市公安局が23日、検察当局の承認を受けて逮捕したという。
劉氏は1989年の天安門事件の際、米国留学から帰国して民主化運動に参加して逮捕、投獄された。釈放後の96年も政府批判の書簡を発表、3年間の労働矯正処分を受けるなど、中国の民主化を訴え、何度も投獄されている。
300人を超える知識人が共産党の一党独裁を批判して署名した「零八憲章」が正式発表される2日前の12月8日、劉氏は当局に身柄を拘束されていた。
胡錦濤国家主席は今年初め、民主活動家の取り締まりを指示した。零八憲章の他の署名者は長期間拘束されておらず、劉氏の逮捕は「見せしめ」的意味合いが強いが、有罪判決を受けるのは確実とみられる。