第24回日本信徒前進宣教大会(塩島光三会長)が18日、千葉県市川市の山崎製パン企業年金会館で始まり、2日目の19日夜に開かれた宣教大会で、児玉博之牧師(日本キリスト伝道会巡回伝道者)が創世記6章1〜22節を引用、「混乱の時代に生きるキリスト者の使命」と題して説教した。説教前にはビジネス伝道を行う日本CBMCの近藤高史副理事長が自らの救いの体験について証し。児玉牧師は堕落が極まり神の裁きが起こったノアの時代と今の時代が全く同じ状況だし、「みなさんがノアです」と、世とは違うキリスト者として歩みを求めた。大会は20日まで続く。
日本の信徒らが中心となって毎年開かれている同大会は、信徒による証が多数行われることが特徴。今年も3日の間に行われる各集会で10人が証者として立てられている。
19日の宣教大会で近藤氏は、中学生時代に尊敬していた男性教師が自殺をし、「自分も今は自殺など考えてはいないが、いずれは同じ道を歩んでしまうのでは」と、何をするにも意欲を持てなくなってしまった過去の姿を語った。その後、当時の現実から離れたいという思いや心機一転新しさを求めて、米国へ留学することになるが、そこで近藤氏は初めて教会へ行く機会が与えられることになった。
断る近藤氏をクリスチャンの友人らが何度も教会へ来るよう誘ったため、「一度だけなら行ってやるか」と思いながら教会へ。しかし、行った先の教会は立派な建物があるわけではなく、10人程度の家庭集会で、そこに日本から特別に2人の牧師がゲストスピーカーとしていただけであった。だが、教会へ行く数日前には、麻薬のディーラーにならないかというような罪への誘いを受けていた近藤氏にとって、これはまさに人生の分岐点。近藤氏は、「ロッキー山脈の水源が片方に行けば太平洋、反対に行けば大西洋に流れ出るというような分かれ道」であったと振り返った。
近藤氏の証しのあとには、児玉牧師が説教を取り次ぎ、現代社会の結婚や性の乱れ、政界や財界の腐敗などを取り上げ、創世記6章に描かれている罪で溢れたノアの時代と、今の時代がまったく同じだと指摘。しかし、その中に一人、神の御心にとまったノアがおり、ノアは100年という歳月をかけて神の言うとおりに忠実に箱舟を造った。当時の人々は「食べたり、飲んだり、めとったり嫁いだり」(マタイ24:38)と肉のことばかりを行っていたが、ノアはすべてをかけて救いのために働いたのだと強調した。
また、児玉牧師はマタイの福音書20章にあるぶどう園の労務者のたとえを取り出し、「神は働きの質、量を見るのではなく、いかに忠実に働いたかを見られる」と説明。働き盛りの頃、肺結核で6年間の療養生活を強いられるなど、人生での失敗、無駄を大いに経験したと話す児玉牧師は、「神は万事を益としてくださる」「失敗、無駄をしたあなただからこそ、同じように失敗、無駄の人生を生きてしまった人たちを救うことができる」と語った。
最後には、「日本信徒前進宣教大会であり、停滞でも、後退でもない。今日から何歩前進できるのか。今日から何を具体的に始めるのか。できないのではない。一歩踏み出さないから何も起きないのだ」と、会場に集まった参加者一人ひとりに新たな前進を求めた。