【CJC=東京】パキスタン南部シンド州の州都カラチでキリスト者数百人が抗議デモを計画している、と米宣教専門ANS通信が報じた。都心部に1913年に建設されたYMCAのホステルがイスラム教徒の有力政治家に不法占拠され、約3500平方メートルの土地と建物が売却される可能性があるのに反対するもので、前シンド州議会議員のマイケル・ジャヴァイド氏が計画した。
YMCAは64年に社会福祉局の登録団体になっている。YMCAの運営をめぐって現地のキリスト者の間で合意できなかったことから、イスラム教側の介入が始まった。
パキスタン教会のサディク・ダニエル主教は、カンタベリー大主教ローワン・ウイリアムズ氏に訴え、不法占拠は終わったものの、それは一時的なものだった。またYMCAのキリスト者の執行部は横領がらみで追放されている。
YMCAの運営をめぐってはキリスト者の間で対立があり、訴訟に持ち込まれたが、シンド州高等裁判所はこの1月、関係者はいずれも運営に不適当として、高裁書記官モイヌッディン氏を運営管理者に任命した。
ジャヴァイド氏は、この措置では不法占拠自体の解決にならない、と指摘している。
不法占拠者は敷地内にモスク建設を図っているが、それは不法占拠を正当化しようとするものだ、としてジャヴァイド氏はアーシフ・アリ・ザルダリ大統領とユースフ・ラザ・ギラーニ首相に、敷地内からの不法占拠者追放保証を訴えている。