【CJC=東京】ジョン・テンプルトン財団が宗教の進展に貢献した人に贈る『テンプルトン賞』の2009年の受賞者がフランスの物理学者・哲学者のベルナール・デスパーニア氏に決まった。カトリック信徒、パリ大学(南)理論物理学名誉教授で、「現代物理学にとって実在とは何か」「量子力学における観測の理論」などの著書で知られる。
「量子物理学の限界を量る代わりに、新たな科学的発展が、純粋な知識として、また私たちの存在と人間性の核心にまで行き着く問題に与える『無限』と『展開』を探った」と、同財団のジョン・M・テンプルトン・ジュニア代表が3月16日、ユネスコのパリ本部で授賞の理由を述べた。
テンプルトン賞の発表は毎年ニューヨークで行われるが、デスパーニア氏が87歳と高齢で,夫人とも長く離れ難いところから、パリでの発表となった。
賞金は100万英ポンド(約1億3500万円)と、個人に与えられる賞金としてはノーベル賞を超えているが、1973年に創設者の投資家サー・ジョン・M・テンプルトンもそれを意図していたと言われる。
同賞は当初、マザー・テレサや米国の大衆伝道者ビリー・グラハム氏などに与えられていたが、最近では科学と宗教の関係を追究する科学者や神学者に授与されている。
授賞は5月5日、ロンドンのバッキンガム宮殿でエディンバラ公が行う。