英国国教会(聖公会)の前カンタベリー大主教であるジョージ・ケアリー卿はこのほど、英国が直面する経済危機において、ゴードン・ブラウン英首相に一定の責任があるとして、英国民に謝罪するよう呼び掛けるコメントをした。
ケアリー卿は、英ニュース・オブ・ザ・ワールド紙に対して、ブラウン首相は現在の不況に対する責任を負う必要があると指摘。一方で、その責任を認めるのであれば「より強力に立ち直ることができる」と語った。
「私は困惑しており、率直に言えば、現在の経済危機を引き起こした恐ろしい出来事において自身がその一因となったことを認められない、ゴードン・ブラウン首相の無力さに悲しみを覚えている」とケアリー卿。
「彼が必要としていることは、単純に『はい。私は大蔵大臣を務めた時、間違いを犯してしまった。知らないうちに英国の経済を弱体化させてしまっていたことを、英国民に謝罪する。他の指導者らが考えていた方策を講じなかったことを後悔している』と言うことだ」と語り、ブラウン首相が自身の責任を認めるよう厳しく求めた。
しかしその一方、ケアリー卿は「恐らく、ブラウン首相は特に知的には、ここ半世紀かまたそれ以上の期間において最も優秀な首相で、優れた才能ある男だ」と評価。「教会の聖職者の息子であるブラウン首相は、『告白』が、全能の神との関係を回復するための序曲のようなものでしかないことを知っているであろう。これ(告白)は、人生のすべての歩みでそうであるように、政治においても同様に働くのだ」と語った。