西のハイチと国境を接するカリブ海の国ドミニカは、スペインから2度(1821年/65年)、ハイチから1度(1844年)、そして米国から1度(1924年)と、計4度も独立を果たした国だ。歴史的には500年にわたる混乱に見舞われてきた。
まず、100万人の先住民族アラワク・タイノ族が外国の病気とスペインの支配によって滅亡した。その後、サトウキビ農園主がアフリカ人奴隷を輸入したのだ。欧州の植民地権力も、後のドミニカ政府も土地と人々を搾取した。30年にわたる抑圧的な独裁政治は1961年に終わったが、その後の民主政権はたいていの場合、操作的で腐敗していたものの、より公正な民主主義へとゆっくりと移行した。貧しい人々や抑圧されたハイチの下層階級は、ほとんどの権利を奪われたままだ。
70年代初頭の成長は、失政、汚職、肥大化した非効率な政府による衰退によって打ち消されてしまった。2004年には堅実な政策によって顕著かつ継続的な改善が見られた。農産物輸出(サトウキビ、コーヒー、タバコ)に代わって観光業が主な収入源となり、国外で働く出稼ぎ労働者からの送金がそれに続く。富裕層と多数の貧困層との格差が非常に大きい。
長い間苦しんできたこの国に、経済的・政治的正義が訪れるよう祈ろう。福音が同国の希望となるよう、宣教のために祈っていただきたい。
■ ドミニカ共和国の宗教人口
プロテスタント 7・1%
カトリック 82・4%
聖公会 0・04%
イスラム 0・1%
無宗教 3・2%
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