1922年アフリカのど真ん中での、手に汗握る冒険劇を想像してみてほしい。この物語は、ヘンリー・ガーロック牧師とその妻ルサンヌが、ニュージャージーの家を後にし、リベリアの人喰い人種のパーン族をキリストに改宗させるという危険な使命に出発するところから始まる。これはありふれた宣教師の物語ではなく、命懸けのサバイバルと、超自然的な展開のスリリングな物語だ。
他の宣教師たちが人喰い人種を恐れて足を踏み入れることを避ける土地で、ガーロック夫妻はアフリカのキリスト教徒と共にキャンプを張った。ところが、ガーロック夫人がマラリアで倒れ、緊急に薬が必要になった。ガーロックは危険を冒して部族長を説得し、パーン族の領土を補給隊が通過することを許してくれるように求めた。
しかし、補給隊がパーン族の領土を通過する過程で、ガーロックの部下の一人が人喰い人種に捕まってしまったのだ。彼には部下を救う以外の選択肢はなかった。そこでガーロックは敵対者たちの巣窟に踏み込んだ。勇気と祈りだけを武器に、ライオンの巣に足を踏み入れたのである。それまでパーン族は白人を見たことがなかった。
緊張が高まる中、ガーロックは捕らわれの同胞を自由にしたが、敵対する部族の群衆に追い詰められた。機転を効かせたガーロックは大胆なハッタリで、象の頭蓋骨の上に落ち着いて座り、熱心に祈った。まるで映画のワンシーンのように、シャーマンは彼を断罪し、裁きにかけた。パーン語を話すことができないガーロックは、聖霊が彼の言葉を導き、紡ぎ出すのを感じた。
不思議なことにガーロックは、自分が何を話しているのか理解できないまま、20分間もパーン族の言葉で流ちょうに話した。群衆は驚き、これに魅了され、この奇跡的なスピーチによって彼らの心は強く揺さぶられたのだ。シャーマンは、捕らわれ人の自由を象徴する白い雄鶏をいけにえにささげることで、彼らの解放を裁定した。
ジャングルを歩いて戻ったガーロックは、何かとんでもないことが起こったのだと悟った。この事件の後、パーン族はやがて人肉食をやめ、キリスト教を受け入れた。この手に汗握る物語では、危険と未知の真っただ中で、信仰と聖霊が言葉の壁を越えて奇跡をもたらした。その結果、一つの部族の永遠の運命を変えることを可能にしたのだ。
聖書の神は今も生きておられ、御言葉に書いてあるように働かれる。恐れず大胆に福音を伝えよう。今もへき地で命懸けの伝道をする宣教師たちのために祈ろう。またリベリアの宣教拡大のために祈っていただきたい。
■ リベリアの宗教人口
プロテスタント 28・0%
カトリック 4・9%
イスラム 15・5%
土着の宗教 42・5%
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