米国の神学教授ヤナ・ハーモン氏が、100人の元無神論者や元懐疑論者に、何が彼らを神への信仰へと向かわせたのかを尋ねた。
ハーモン氏は、過去10年にわたる研究の中で、個々の元無神論者たち100人に「キリスト者が懐疑論者と関わる最善の方法は何ですか」と注意深く聞き取りをした。結論的にいえることは、無神論者たちはキリスト者と交流する際に何がうまくいき、何がうまくいかなかったかについて、彼らなりの見解を持っているということだ。
最も注目すべき発見の一つは、82%という明確な大多数が、彼らが関わったキリスト教徒たちから非常にポジティブな影響を受けたことによって改宗するに至ったということである。研究者であり心理学者でもあるジョエル・ファーシェスも同様の結論を出している。
ハーモン氏は、無神論者や信仰に抵抗がある人々と交流したいと考えるキリスト者に、6つのポイントを提示している。
1. 思い込みを避け、耳を傾け、尋ねてみる
懐疑論者と関わることは、キリストを知らない人と会話することに似ている。一人一人が個性的であることを認識しよう。レッテルに基づいて彼らの信念を決めつけない。彼らの言い分や反論に積極的に耳を傾けることで、彼らの視点を理解する。彼らの根底にある個人的な問題を理解するために耳を傾け、有意義な会話の土台を築く。
2. 積極的にキリスト者であることをアピールする
否定的な固定観念に対抗して、本物のキリスト中心の生き方を示す。懐疑的な人の多くは、キリスト者に対して歪んだ認識を持っている。純粋に信仰を実践することで、このような誤解を解く。そしてキリスト者が体現する信仰は彼らを引き付けるのだ。肯定的な例は彼らの心に深く響き、懐疑的な人たちが自分の思い込みを考え直すよう導くことができる。
3. 必要なときに支援を提供し、愛を実践する
人々の試練に寄り添うことで、神の存在を示すことができる。懐疑的な人の多くは、神についての個人的な確証がないため、断絶を感じている。彼らが困難にあるときに真の愛を示すことで、彼らの心を和らげ、福音について真剣に考えるように導くことができる。
4. 知的に準備する
自分の信仰の基礎をよく理解する。自分が何を信じているのか、なぜ信じているのかを理解し、疑問や課題に効果的に対処できるようにする。
5. 時間をかけて忍耐強く取り組む
人々が視点を変えるには時間がかかる。辛抱強く、注意深く、彼らが心を開く瞬間を待つ。人生における出来事や危機は懐疑的な考えを中断させ、考察のためのスペースを生み出すことがある。忍耐強く関わることで、彼らの心の準備ができたときに適切な導きを与えることができる。
6. 祈り、聖霊に頼る
祈りは不可欠である。聖霊の働きは、人の心を変える上で極めて重要だ。多くの回心物語は、個人の深い祈りの影響を強調している。たとえあなたが直接関与していなくても、祈りは変化の道を開くことができる。
多くの無神論者たちが、キリスト者たちの現実の生き方や振る舞い、彼らとの関わりの中で信仰に導かれている。
主イエスは言われた。「あなたがたは、世界の光です。山の上にある町は隠れる事ができません。また、あかりをつけて、それを枡の下に置く者はありません。燭台の上に置きます。そうすれば、家にいる人々全部を照らします。このように、あなたがたの光を人々の前で輝かせ、人々があなたがたの良い行いを見て、天におられるあなたがたの父をあがめるようにしなさい」(マタイの福音書5章14〜16節)
私たちは太陽の光を優しく反射する月のように、キリストの光を反映させ、人々を真の光に導く存在なのだ。私たちの生き方を通して、私たちの中に住まわれるキリストを指し示そう。そして、何よりも最終的な決め手は、人の心を決定的に変えることのできる聖霊の力に信頼し、祈るということだ。
多くの場合、主は現場で働くキリスト者を通して働かれる。これは普遍的な真理だ。キリストの弟子道を進む世界中の神の子どもたちが、その地道な信仰の歩みを通して豊かに救霊の実を結ぶことができるよう祈っていただきたい。
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