迫害されているキリスト信者にとって重要に見えることが、他の地域の信者にとっては必ずしもそうでないことがある。
両者の間にあるギャップは、中国のように何十年もの間キリスト教史上最大のリバイバルを経験している地域と、教会が停滞させられている西側の多くの地域との違いを説明する一つの大きな要因といえよう。
例えば、欧米のキリスト教関連メディアでは、中国共産党が近年、中国全土の何千もの教会堂から十字架を撤去したという出来事をショッキングに報じた。『天国の人』のブラザー・ユンは、数年前にカナダを訪問していたとき、中国共産党による教会の十字架撤去事件についてコメントを求められた。
多くの人々は、このような残酷な行為に、ブラザー・ユンは警鐘を鳴らすと思っていたが、想像もしなかった彼の答えに、その場にいた多くの人々は大きな衝撃を受けた。ブラザー・ユンはこのようにコメントした。
「これほど多くの十字架が取り壊されたことを、私は大変うれしく思います! 十字架は決して建物の屋根に固定して飾るためのものではありません。そうではなく、主イエスは、私たちが日々自分の十字架を担うように言われ、信者の心に十字架を抱くようにと言われました。私は、全ての十字架を撤去するという政府の決定に対して完全に同意します!」
真のリバイバルを経験した人々と、永遠のことより、むしろ一時的なことに目を向けている人々との違いがここにあるのだろう。強権的な習近平国家主席をはじめとする中国の指導者たちは、教会の建物から十字架を取り除くのに忙しくしているが、その間にも信者の数は何百万人も増えている。
なぜそうなるのか、彼らには理解できないのだろう。御霊からのものは、御霊によってしか見分けることはできない。
ローマ帝国時代、あるキリスト教徒が殉教したとき、その迫害者たちは「信者が次々に殺されているというのに、お前たちが信じている大工のせがれは、いったい今、何をしているというんだ」とあざけった。
しかし、その信者は冷静に、何の恐れのかけらもなくこう答えた。「私の主は、今あなたたちの帝国のために棺を造っておられます」。教会教父のテルトゥリアヌスは「殉教者の血は教会の種子である」といったが、その言葉は真実だ。
迫害を通してなお拡大する中国の教会のために祈ろう。中国の悪い体制が内部から変えられ、そのためにキリスト信者が用いられるよう祈っていただきたい。
■ 中国の宗教人口
プロテスタント 6・4%
カトリック 1・6%
無宗教 44・4%
儒教 28・5%
仏教 12・5%
イスラム 1・9%