国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)」は、ウガンダの反政府総力「神の抵抗軍(LRA)」がアフリカ中部のコンゴ民主主義共和国(旧ザイール)北東部で、昨年12月24日から先月17日までに住民865人を殺害したとする報告書を発表した。朝日新聞が伝えた。
報告書によると、スーダン国境沿いにある北部ファラジェで、教会の主催したクリスマスコンサートが約200人のLRAに襲撃され、住民143人が死亡、160人が誘拐。さらに、その西約250キロにある町ドルマと周辺の13の村がLRAにより次々と襲撃され、昨年12月25日からの3日間だけで住民約300人が死亡した。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、LRAの虐殺行為により、コンゴ北東部から南部スーダンに流入する難民が昨年10月時点比3倍の1万5000人にまで急増している。
自らを霊媒であるなどと主張するジョゼフ・コニー率いるLRAは、1987年に結成されたウガンダの反政府武装勢力。聖書に記されている「十戒」とウガンダ北部からスーダン南部に分布する民族「アチョリ」の伝統に基づく国家建設を掲げているが、住民の虐殺や子どもの拉致、少年兵化、性的搾取などの非人道的な行為が絶えず、国際的な非難が集中している。
国際刑事裁判所(ICC)はコニーに対してすでに逮捕状を出している。