一つのからだには多くの器官があって、すべての器官が同じ働きはしないのと同じように、大ぜいいる私たちも、キリストにあって一つのからだであり、ひとりひとり互いに器官なのです。(ローマ12:4、5)
教会は、今も生きて働く神の恵みを分かち合う所ですから、良いことがいっぱい起こります。笑顔、楽しさの中に神がおられますから、目に見えなくても神の霊が働き、私たちの祈りに応えて、神によるしるし、不思議、奇跡、癒やしが現され、さまざまな祝福が豊かに与えられるのです。
けれど、その中でも大きな奇跡を私たちは忘れてはなりません。生まれも育ちも、民族や肌の色も生活も全部違っても、私たちは一つの家族となれるという奇跡を感謝しましょう。
世の中の風潮は、多様性がもてはやされ、皆の個性を生かしていこうという流れになっていますが、一つ間違えば、わがまま、身勝手、バラバラになってよいではないかということにもなるのです。多様性を大切にと言う一方で、家族の絆が弱くなり、友人関係、職場仲間との関係が希薄になり、世の中はバラバラになっていく方向性があると思います。
格差、分断という寂しい現実が世の中にあります。しかしそんな中で私たちは、無理やり強制されるのではなく、キリストの愛によって一つに結び合わされるのです。利害関係ではなく、互いに仕え合い、与え合い、信頼して、愛し合って一つになるのです。神の霊と愛の働きによって一つに結び合わされていることを感謝したいのです。
今日の聖書箇所から2つのことを確認します。
1. 個々人に与えられている特別な働き!
皆、独自性のある個々人であると聖書は語っています。無理やり押し付けられるのではなく、皆の個性、能力、特徴を互いに認め合い、その事実を生かしていきましょう。互いを尊重し、感謝し合う者でありましょう。
2. 一つの体としてのまとまりと機能!
それぞれに独自の働き、機能を与えられている一人一人が、一つの体としてまとめられるのです。全員が一つの体として組み合わされ、結び合わされ、一つの命を共に分かち合い、それぞれに機能が与えられていることを感謝します。
個性を重んじれば重んじるほど、一つとなることを強く意識しなければなりません。人間は一人で生きていくようには造られていないので、身勝手な生き方をしていると必ず孤独感に苛(さいな)まれてしまうのです。
一つにまとまると、自分の力を超えるものすごい力を人生に発揮できるようになります。皆がそれぞれ違う役割を果たしていても、組み合わされて初めて、一つの体として機能を発揮できるということを心から感謝します。
キリストの体の一部として共に歩んでまいりましょう。そして、司令塔はキリスト。私たちの体の頭となるのは救い主イエス・キリストです。イエスの御心、ご計画、御業が私たちの体を通して行われるので、そこにとてつもなく大きな恵みを体験できるのです。
教会にとって不必要な人は一人もいません。愛と希望にあふれた場、それが教会なのです。
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