カトリック国で世俗的な傾向の強いフランスで、若者を集める福音主義のイベント「エコー」が、今年は6500人ものユースが集い、5月19日から21日まで開催された。
このイベントは「教会が自信を持って、若者たちが自分たちの街や地域のために持つビジョンと共に走ることができますように」と目標を掲げ、15年前にアッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団によって始められた。
大会は3年に1度開催され、フランス全国の教会からティーンエイジャーや若者が集まる。彼らは大会を通して、神の召しを発見する促しを受けるのだ。今年は「見よ、わたしは新しいことをする」(イザヤ43:9)をテーマ聖句に掲げた。
プログラム全体は、3つの軸で展開される。「1)私と神、2))私たちと神、3)あなたとわたし」だ。大会は、説教、礼拝、ワークショップ、コンサートで構成され、ティーン(12〜17歳)とヤングアダルト(18歳以上)向けの特別プログラムがあり、信者の若い奉仕者には、トレーニングやコネクションが提供された。
イベントコーディネーターのサムエル・トリコワール氏は言う。「私たちは、若者たちが単にイベントを楽しむのではなく、将来のために自らを準備し、自分が働きや奉仕するキリスト教組織を発見し、最も単純で具体的な意味でのミッションを体験することを望んでいます」
このイベントは、フランス最大の福音派組織の一つであるアッセンブリーズ・オブ・ゴッド青年部門(ADD)によって企画された。CNEF(フランス福音派全国協議会)の最新データによると、フランスには74万5000人の福音派キリスト教徒がおり、約2300の礼拝堂に集まっているそうだ。1950年以来15倍の成長を遂げたことになる。とはいえ、福音派はまだ人口の1%強にとどまる少数派だ。
南欧の福音派イベントでは、数千人が集まることは突出している。この成功の理由をトリコワール氏は次のように説明する。「若者の行動力だけに頼るのではなく、グループ全体の行動力を生み出すことが鍵です。教会全体が動員されると、グループ効果が生まれるのです。また、ADD運動によってサポートされていること、福音主義コミュニティーが生きていて成長していることも大きな要因です」
大会では、70以上の団体が若い参加者に自分たちの活動をアピールし、スポーツ活動も行われる。セミナーでは、聖書の読み方、キリスト教倫理、科学と信仰、セクシュアリティーなどの問題が取り上げられる。
近年、フランスではメガチャーチが出現し、人々の宗教的な渇きを満たしている。これらの教会は、伝統的教会の敷居の高さを取り払い、明るく開放的な賛美や礼拝を通して、多くの人々にリーチする。宗教離れが進むフランス社会でも、人々の魂の深層には、潜在的な「霊的渇き」がある。近年のフランス福音主義は、そのような人々の必要に効果的にアプローチしているということだろう。
これらの新しい世代は、新しい方法を使うが、彼らのメッセージは「決して変わらぬ聖書の真理」を土台とする。「変えるべきものと変えざるべきもの」にしっかり線を引き、若い兄弟姉妹たちの働きが、フランスの福音化をいよいよ加速させるよう祈っていただきたい。
■ フランスの宗教人口
カトリック 57・6%
プロテスタント 2・1%
英国教会 0・03%
ユダヤ教 1・0%
無神論 26・6%
イスラム 10・5%