今年1月から英国ロンドンの名物である二階建ての赤いバスに「神は多分いない」などとかかれた無神論を主張する広告が出されたことに対抗して、同国のキリスト教保守団体が今月12日から、「神は確かにいる」などとするバス広告を掲載し始めた。
英国では1月6日から、ロンドン市内を回るバスに「神は多分いない。心配するのはやめて、人生を楽しもう」とする広告が一斉に張り出された。無神論を主張する英国ヒューマニスト協会(BHA)が、すでに英国内の様々なところで見られるキリスト教の広告に対抗して出したもの。
これに反発したのが、キリスト教の保守系政治団体である「キリスト教政党」。BHAの広告を意識して、「神は確かにいる。だからクリスチャン政党に参加し、人生を楽しもう」という広告を打ち出した。すでに、ロンドン市内のバス50台でこの広告が張り出されている。
しかし、広告を出し始めて2日後の14日には、同団体の事務所の窓ガラスが割られる事件が発生した。警察は、宗教に関する憎悪犯とみて調査を進めている。キリスト教政党代表のジョージ・ハーグリーブス氏は、「ショックというよりも、失望した」とコメント。事件が「現代を象徴する」ものだとしながらも、バス広告は取り止めない言う。
ハーグリーブス氏は、スコットランドでも同団体のポスターが引き剥がされる嫌がらせを受けたことにも言及し、「キリスト教を良しとしない人々が、所有物を破壊しまた暴力的にならなければいけないと感じるのは、恥ずかしいことだ」と非難した。
同団体は今月24日からは、スコットランドでも6週間にわたる同様のバス広告を行うとしている。