2月には、心ときめくヴァレンタインデーがやって来ます。この日は、たとえカップルになれなくても、一年に一度、「愛の告白を許される日」ですから、多くの若い人たちは、ドキドキしながら過ごす一日になるのでは、と思います。
ヴァレンタインデーにチョコレートを贈る習慣は、日本でもおなじみの習慣になっていますが、その思いの詰まったパッケージはやはり、赤い包みに金色のリボンが一番人気なのでしょうか?
赤と言えば先ず、「愛情」や「情熱」を、多くの人がイメージすると思います。また赤は、十字架の上で流されたキリストの血や、赤いバラも連想させます。そのキリストの流された血には、沢山の愛情が含まれていました。
そして、情熱の赤いバラは、「愛の告白」の場では、打って付の名脇役となります。「情熱の赤いバラ」、特に真紅のバラは、その花びらがベルベットを想像させることもあって、とても優雅な気分にしてくれます。もし、男性が真紅のバラを女性に贈ったなら、その真剣な思いは確実に伝わると思います(その後の、お二人のストーリーには、責任負えませんけど...)。バラと言えば、やっぱり「赤」が、Standard になっていると思います。
このように、絶対的な支持を得ている「赤いバラ」ですが、なぜか私は、オレンジ色のバラにとても惹かれるのです。
オレンジ色のバラの花言葉は、「無邪気・愛嬌・爽やか・信頼・絆」です。そして、赤いバラの花言葉は、「愛情・美・情熱・熱烈な恋・あなたを愛します」とあります。花言葉が、まさにズバリ!「情熱的な愛」を表現していますね。
ドイツ語では、バラを die Rose と言い、das Rosa がバラ色、またはピンクのことを差します。そして、もう少し淡い藤色は、das Lila と言います。
フランス語で、「バラ色の人生」を “La Vie en rose” と言います。ここにも、「バラ」が登場します。すてきですね。人生がバラ色なんて。バラは、いつでも「愛」と「幸福」を私たちにイメージさせます。
年に一度だけ、「愛の告白が許される」ヴァレンタインデーですが、その歴史は古く、3世紀の聖人ヴァレンティヌスが、殉教したことに遡ります。このキリスト教司祭は、当時、結婚が禁止されていたローマで、兵士たちの結婚式を密かに行っていました。しかし、このことを知った当時のローマ皇帝、クラウディウス2世によって投獄され、2月14日に処刑されました。そして、この日は、ローマの豊穣の神ルペルクスを祝う、ルペルカーリアというお祭りの前日でもありました。
投獄された後も、周りの人々に神様の愛を語り続けたヴァレンティヌスは、聖人とされ、彼が殉教した2月14日は、やがて新しい行事として祝われるようになったのです。
古代ローマでお祝されたルペルカーリア祭は、男性からのアプローチだったようです。けれども、日本では女性から男性に愛を告白する日として、“St.Valentine’s Day” が認められています。けれども、欧米では男女問わず、どちらからアプローチしても構わないようです。そして、カップルの人はお互いにその愛を言葉やプレゼントに託して、相手へ届ける日になっているようです。愛を表現するのに、どちらからのアプローチであろうと、“Das spielt keine Rolle” (問題ではない)と思います。なぜなら、愛は神様から与えられたもので、出来るだけ多くの人に、愛と感謝の気持ちを表現することは、神様から求められていることだと思うのです。
当然のことですが、人は愛なしでは生きられません。既に、何人かの著名な方々が教えて下さっていますが、一生のうち一度でも、本当に愛された経験があれば、その後の人生、どんなに辛い目に遭ったとしても、人は前を向いて生きていけるのです。
神様が私たちを命がけで愛されたことは、聖書に書かれていますし、また何度も聞いて来た通りです。ですから、私たち?(私だけかもしれませんが)クリスチャンは、「神様に愛されている」と確信しながら、逞しく生きて行けるのです。
私も、「今夜からは、優雅にバラの花びらを浮かべたお風呂に、ゆったりと浸かることにします」と言いたいところですが、今の我が家に贅沢は許されないので、バラの香りのアロマオイルを楽しみながら、のんびりしたいと思います。
ヴァレンタインデーは愛を告白する日なので、その思いを寄せて、告白してみてはいかがですか? 本来、チョコレートをプレゼントする習慣はなかったはずですから、今の自分に出来るプレゼントをするのも、オリジナリティーに溢れた、すてきな愛の告白だと思います。例えば、自作の一枚の絵をプレゼントしたり、病気の方へ花束を届けたり、一緒に食べたかった手料理をご馳走するなど。そこに思いがあれば、きっと喜んでもらえるはずです。それと一緒に、沢山の感謝の気持ちも忘れずに。
私に、愛の尊さを教えてくれたドイツ人、日本という国、そして、育てて下さった教会の方々に、とても深く感謝しています。もし、教会へ行くことがなく、神様の愛に触れることがなかったなら、愛についての認識は違っていたでしょう。
世界共通の Der Valentinstag (St.Valentine’s Day) に、思いっきり Die Liebe (愛)を、感じて下さい。私たちの間に、愛を下さった神様に感謝して。
【by Tokyoterin - 東京在住の女性クリスチャン】