ツイッター上で14年前から存在していたイエス・キリストのパロディーアカウント(@jesus)が、青色の「認証バッジ」を手に入れた。
実業家のイーロン・マスク氏がツイッター社を買収した後、今月から一部の地域で始まった認証バッジの有料提供を利用したことによる。
認証バッジはこれまで、政治家や著名人、報道関係者、企業の公式アカウントなどに限り、一定の条件を満たした場合、付与されてきた。それが米国やカナダなどの一部地域では、毎月約8ドル(約1200円)の有料サービス「ツイッターブルー」に登録すれば、一般利用者にも付与されるようになった。
一方、認証バッジの有料提供は偽アカウントの急増を誘発。現在、ツイッターブルーの登録は一時的に停止されている。
米ニュースサイト「ビジネス・インサイダー」(英語)によると、イエス・キリストのパロディーアカウントの運営者は、無宗教者だという。
同サイトの取材に応じた運営者は、次のように話している。
「イエスのツイッターアカウントは14年前から持っていました。そんなに長い間持っていても、認証されるとは思ってもいませんでした。以前、認証を申請したことがありましたが、却下されました。でも、イーロン・マスク氏が認証のルールを変更し、ツイッターブルーに登録すれば認証バッジを購入できるようになったとき、ついに自分の時代が来たと思いました。即決でした。ツイッターブルーを購入して、アップルペイでの支払いを確認した後、ツイッターを開き直すと認証されていたのです」
一方、運営者は次のようにも話している。
「ある意味、新しい認証の仕組みがいかに無茶苦茶かを示すために、イエスのアカウントを認証してみました。明らかに、私はイエスではありません。イエスはツイッターアカウントを持っていないのに、なぜ私が認証されるのでしょうか。意味不明です」
運営者がこのパロディーアカウントを始めたのは、冗談交じりの投稿をするなど、単に楽しむためだったという。一方、それにもかかわらず、このアカウントには、さまざまな人たちから祈りのリクエストが届くという。
「時々、励ましのメッセージなどを送り返すこともありますが、私は心理学の訓練を受けているわけでもなく、このようなことを扱える専門的な資格を持っているわけでもないことを強く自覚しています。
人々が私に祈りのリクエストを送るとき、自分がいかに無力であるかを痛感します。本当に何もできないのです。自分が全く助けることができないことについて、人々が助けを求めてくるのを見るのは不思議な感じがします」
マスク氏は、ツイッターブルーへの登録を29日にも再開するとしていたが、22日には自身のツイッター(英語)で、確固たるなりすまし対策が講じられるまで延期すると発表。また、個人と団体で認証バッジの色を変える可能性も示唆している。