続く米国の景気後退に歯止めをかけようと、民主党のオバマ米政権が成立を目指す景気対策法案で、審議次第では1兆ドル(約90億円)近くになる可能性もあるという金額について、共和党のミッチ・マコネル院内総務が「1兆ドルとして考えてみると、イエス・キリストが生まれた日から毎日100万ドルずつ使っていったとしても、今もまだ使い切っていない計算になる」などと語った。AFP通信が伝えた。
同法案は米上院で採決へ向けた大詰めの段階を迎えており、現在、歳出拡大に反対する共和党を配慮して、当初の規模から1000億ドル(約9兆円)減額した8000億ドル(約73兆円)の規模にする案が浮上している。また、オバマ大統領は5日には「行動する時は今だ」と語り、上院へ早期採決を呼びかけた。
一方、歳出を減らし減税拡大で景気を刺激すべきだと主張する共和党は、公共事業などに無駄が多く、法案に賛成できないとする声が依然強く、AFP通信によれば、共和党のジョン・スーン上院議員は「1兆ドル分の100ドル紙幣を1枚ずつ並べていくと赤道を38.9周することができる」と述べ、資金投入の金額が巨額で無駄が多いと指摘した。