米カリフォルニア州サンタアナに本部を置くキリスト教の抑圧監視団体「オープン・ドアーズ」がこのほど、キリスト教徒に対する迫害が最もひどい国をまとめた「ワールド・ウォッチ・リスト」の最新版を発表、北朝鮮が7年連続で最も迫害がひどい国となった。上位10位のうち7カ国がイスラム教国、2カ国が共産主義国という結果で、昨年ヒンズー教過激派による大迫害が発生したインドは30位、昨年10位であった中国は12位となった。
08年2月から09年1月までの迫害状況をもとに作成された今回のリストでは、2位がサウジアラビア、3位がイラン、4位がアフガニスタンと中東のイスラム教国が並んだ。サウジアラビア、イランは昨年同様の順位で、アフガニスタンはイスラム原理主義勢力タリバンの影響で昨年の7位から4位に上がり、迫害状況が悪化した。5位ソマリア、6位モルディブ、7位イエメン、8位ラオス、9位エリトリア、10位ウズベキスタンと続く。
今回ワースト10に新たに加わったのは、ソマリアとエリトリア。ソマリアでは昨年、キリスト教徒に対する事件が爆発的に増加し、12位から5位と状況が悪化。一方、昨年11位であったエリトリアではキリスト教徒に対して宗教の自由が保障されていないという状況には大きな変化はないが、依然として国内では約3000人のキリスト教徒が拘留されていると見られている。
ワールド・ウォッチ・リストは、宗教の自由における様々な側面を50項目で評価し、ポイントが高ければ宗教の自由が保障されておらず迫害が激しいことを示す。今回の結果では、1位の北朝鮮が90.5ポイント、2位のサウジアラビア、3位のイランが67.0ポイント、4位のアフガニスタンが63.0ポイントであった。