【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)は2月1日、教皇ベネディクト十六世がゲルハルド・マリア・ワグナー司祭(54)をオーストリア北部リンツの補佐司教に任命した、と発表した。同司祭は2005年、ハリケーン・カトリーナが米南部ニューオーリンズなどを襲った際に、同市における同性愛などの性的寛容に対する天罰だ、と指摘し問題になった。
オーバーエスターライヒ州司祭協議会のハンス・パディンガー報道担当は現地紙に、今回の選択は、バチカンがリンツ教区と協議もしなかったという印象を受け、「非常に喜ばしいということではなかった」と語っている。フランツ・ウイルド司祭も、極端な意見の持ち主を一致に関わる補佐司教とするとは驚きだ、とウエブサイトで述べている。
カトリック者運動団体『私たちが教会』のフランツ・ゲルトバウワー氏は、今回の任命を「超保守的なサイン」であり、人々を教会から去らせることにもなる、と言う。
ワグナー司祭がリンツの教会報に、カトリーナについて、ニューオーリンズではナイトクラブや売春宿だけでなく妊娠中絶施設をも破壊した、として「この市の不道徳な状況は言語に絶する」と述べていた。オーストリアのカトネット通信が報じた。