【CJC=東京】英国放送協会(BBC)が、イスラエル軍による攻撃で大きな被害をうけたパレスチナ自治区ガザ地区市民に義援金を送る運動の放送を拒否したことに非難が集まっている。
英赤十字やオックスファムなどのNGO(非政府組織)が参加する慈善団体『緊急災害委員会』の活動を、報道の公平性を損ねる恐れがあるとして放送しない方針を決めたもの。BBCは義援金が効率的にガザ市民の手に届くかという点にも疑問を持っている。
AFP通信などによると、この決定に怒った数千人がロンドン中心部で1月24日に抗議活動を行ない、ゴードン・ブラウン首相など政治家からも批判の声が上がった。議会ではBBCの決定に「驚愕した」という議員51人が、BBCに説明を求める動議に賛成した。
25日には、英国国教会(聖公会)の最高指導者であるカンタベリー大主教のローワン・ウィリアムズ氏が「義援金運動をBBCは放映すべきだったと思う」と述べた。
BBCのマーク・トンプソン会長は24日、BBCには「わずかでも放映の公平性を損ねる恐れがある要因を排除する義務がある。これまでに築いてきた報道の公平性を守るための決定だった」と述べた。□