・・・。それから、彼はこわれていた主の祭壇を建て直した。・・・ヤコブの子らの部族の数にしたがって十二の石を取った。・・・「四つのかめに水を満たし、この全焼のいけにえと、このたきぎの上に注げ。」と命じた。・・・主の火が降って来て、全焼のいけにえと、たきぎと、石と、ちりとを焼き尽くし、みぞの水もなめ尽くしてしまった。民はみな、これを見て、ひれ伏し、「主こそ神です。主こそ神です。」と言った。(第一列王記18章30節から39節)
1年の初めに夢や目標をしっかりと意識して、それを生活の中で実現できるようにひとつひとつ形にしていくことが大切です。スポーツ選手が基礎トレーニングをして、大活躍する1年間の準備を始めるように、私たちは信仰者としてごく当たり前のことを徹底して、基礎を固めたいのです。
預言者エリヤの時代、国王アハブと王妃イゼベルは偶像礼拝に走り、民を間違った方向へ導いていました。バアルやアシェラという偶像の神々への信仰が国中に蔓延し、真の神を礼拝するのはエリヤのみ。文字通り孤軍奮闘、この暗黒の時代にエリヤは、偶像崇拝の預言者たちと命がけの対決をし、圧倒的な神の力を見せつけ、イスラエルをまことの神に立ち返らせたのです。
私たちは、エリヤが特別な霊的な武器や呪文、秘密兵器などを用いたと思ってしまいます。しかし、実際に彼がしたのは、全く違うことでした。
神の奇跡、神の力強い勝利を起こすための備えとしてエリヤが行なった3つのプロセスを知りましょう。
1.神との接点を築き直す
エリヤは真っ先に神への祈りの座、神との接点である祭壇を築き直したのでした。特別な呪文や訓練が必要なのではありませんでした。イスラエルの民は神を礼拝していましたが、彼らは皆、本来の姿を忘れ、その祭壇は壊れていたのです。
あなたの信仰生活の中に、神との接点がありますか? 祈る時間が減っていませんか? 聖書が部屋の片隅に追いやられていませんか? 以前は讃美やメッセージを聴いていた車での移動時間、流行の歌やラジオを聞くだけになっていませんか? 十一献金してますか? どれほど忙しくても一生懸命出ていた礼拝を、最近休む癖がついていませんか? 奉仕の時間がなくなっていませんか?
エリヤは知っていました。イスラエルの人々には祭壇が本来はあったのです。でも、崩れていたのです。神との接点は築き直されなければなりません。
2009年、神はあなたを祝福されます。しかし、あなたの祭壇がもう一度建て直されることが必要です。あなたの信仰生活の基本に妥協してよいところは何もありません。
2.神の約束を思い起こす
エリヤは12の石を数えながら、かつて神が12部族に与えられた、変わるはずのない祝福の約束を思い起こしていました。イスラエルは神に選ばれた契約の民だったのです。彼は、すでに神から与えられていた祝福の約束を振り返ったのです。神の約束は何も変わっていませんでした。ただそれを思い起こせばよかったのです。
かつてあなたの心の中にも神から与えられた夢やビジョンがあったではありませんか。神は簡単に心変わりされません。単に目先の事ばかり追い求めて、かつて心を燃やされた神からの夢を忘れてはなりません。あなたに与えられた神の約束や目的は、もっと大きかったではありませんか。神からの夢は変わりません。その約束を思い起こしましょう。
3.徹底して神に信頼する
エリヤは、いけにえに3度水をかけさせました。人の手では決して火がつかないように徹底したのです。そこで火がつけば、人の知識や力ではないことは明確です。神に信頼する以外にないという状況を作り出したのです。
あなたは、もっと神に信頼すべきではありませんか? 豊かになり、神以外に頼るものがたくさんあるのは感謝なことです。しかし、あなたはいつの間にか、人のコネや、親の力、資格や免許やお金の力が解決だと考えていませんか? 私たちはもっと純粋に、単純に神に信頼する信仰を持ちたいのです。その中で主は働いて下さいます。
信仰の基本に徹底したエリヤの祈りに、神は圧倒的な力で答えられました。天からの火は祭壇とその周りの水を焼き尽くし、誰が神であるかを明確に現わしたのです。
神との接点を持ち、神が与えられた約束を思い起こし、神にだけ信頼する。ひとつひとつは特別なことではありません。基本に立ち返りましょう。
神との交わりの時間を整え、神からの計画をもう一度思い出し心の中に燃やしましょう。そして本気で神に信頼するのです。そうすれば、私たちを強くして下さるイエスが共にいて下さいますから、私たちはこの1年どんなことでも実現していくことができます。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。