日本聖公会(東京都新宿区、植松誠首座主教)は今年、日本での宣教が始まってから150周年を迎えるのを記念して9月23日に、約2000人を収容可能な東京カテドラル聖マリア大聖堂(東京都文京区)を会場にして記念礼拝を行う。記念礼拝には、世界中に広がるアングリカン・コミュニオン(聖公会)の各国代表が参加し、このほどその霊的最高指導者であるローワン・ウィリアム・カンタベリー大主教(英国)の来日も決定した。
聖公会による日本での宣教は、1859年(安政6年)にジョン・リギンズ宣教師、チャニング・ウィリアムズ宣教師が長崎に上陸したことによって始まった。彼らは日本に初めて来たプロテスタント宣教師であり、その後同年に、ジェームス・ヘボン宣教師(米国長老教会)が神奈川に、グイド・フルベッキ宣教師(米国オランダ改革派教会)が長崎に、サミュエル・ブラウン宣教師とダン・シモンズ宣教師(同)が神奈川に続けて来日、日本のプロテスタント宣教の扉が開かれた。
当時29歳であったウィリアムズ宣教師は来日後、長崎で8年間宣教に携わり、その後明治維新直前に一時帰国、1869年(明治2年)に再び来日し、今度は大阪を中心に伝道を行った。1873年(明治6年)に禁教令が解けると東京に移り、翌年、東京・築地に立教学院の前身となる「立教学校」を開校する。
聖公会による日本での宣教は、ウィリアムズ宣教師らの米国聖公会による伝道のほか、大阪地域は英国国教会(英国聖公会)が中心に、名古屋地域はカナダ聖公会が中心となって行われた。そして、ウィリアムズ宣教師の来日28年後の1887年(明治20年)に、日本聖公会が誕生することになる。
9月23日に行われる記念礼拝には、すでに英国、米国、カナダ、韓国、オーストラリアなど日本へ直接宣教師を派遣してきた各国聖公会の代表者のほか、日本聖公会と関係の深いブラジル聖公会、東アジア聖公会協議会(CCEA)加盟教会の代表者ら多数が出席する。このほか、日本の他教派・教団からも代表者が参加する。
礼拝は9月23日午後1時半から。会場は、東京カテドラル聖マリア大聖堂(住所:東京都文京区関口3‐16‐15、電話:03・3941・3029)。