【CJC=東京】近年で最悪のコレラ流行を受けて、ジンバブエ政府は12月初め、国家非常事態宣言を発令したが、さらに南アなど近隣諸国にまで拡大した。南ア保健省によると、感染が疑われる患者はこれまでに900人を超えている。
『国境なき医師団』(MSF)は、コレラ流行への対応として、ベンベ地区ムシナとヨハネスブルクですでに活動していたチームを即座に補強すると同時に、活動の中心をコレラ症例の発見・治療、衛生推進へと切り替え、重度の患者を同国保健省に移送している。
MSFは、ヨハネスブルクでは、セントラル・メソディスト教会に診療所を設置、流行に対応している。毎晩2千人前後の避難民、亡命希望者、移民が同教会内部と外の歩道に集まってくる。医療チームは、教会コミュニティ、現地当局と力を合わせ、教会周辺でコレラが大規模に流行するリスクを軽減すべく懸命の努力を続けている。また、衛生推進チームを編成し、ヨハネスブルク中央ビジネス地区の、人口の密集した危険性の高い地域において、コレラに関する情報・教育キャンペーンを展開している。
診療所で医療ケアを提供するほかに、MSFは教会の外にトイレ10台を設置し、教会居住者用の手洗い場を数ヵ所に新設した。食品販売者を対象に衛生についての研修を行い、教会に暮らす人びとのチームとともに毎日の清掃作業を設定し、コレラ感染への危険を減らしている。