2017年2月13日、レイモンド・コー牧師は謎の襲撃者によって誘拐され、そのまま行方不明になったままだ。事件からすでに5年の歳月が流れるが、解決の糸口は見つからない。コウ牧師は、エイズ患者、薬物中毒者、シングルマザーや子どもたちを助けるミニストリーを運営していた。
彼が誘拐される映像には、わずか40秒に満たない時間に、軍隊式の精密な犯行手口が記録されていた。それ以来、彼の行方は分からず、車も見つかっていない。報告書や調査によると、情報警察が関与している可能性があるという。マレーシア政府は2020年、ようやく事件調査のタスクフォースを結成したが、なかなか進展は見られない。
地元のイスラム指導者たちは、コウ牧師が、違法とされるマレー系住民の改宗を試みていると考え、目障りに感じていたようだ。政府も、イスラム教徒であるマレー系住民への伝道を看過しない。
コウ牧師は現在、生きているのかどうかの手掛かりもない。家族の心配は計り知れないだろう。牧師の無事と家族のために、また壁が壊されマレー系住民への伝道の道が開かれるよう祈っていただきたい。
■ マレーシアの宗教人口
イスラム 62・6%
プロテスタント 4・0%
カトリック 0・01%
仏教 6・5%
儒教 9・4%
ヒンズー 6・2%
土着宗教 0・9%