パレスチナ自治区ガザのキリスト教会指導者が、米国に本部を置く迫害監視団体「オープン・ドアーズ」に対して、「子どもたちが夜中に幾度となく目を覚まし、恐怖や過去の記憶で叫び声を上げて起きてしまう」と、ガザの状況について語った。
教会指導者は、ガザが食料や医療品の不足、停電など生活上の様々な不足に喘いでいるが、この混乱で最も被害を受けているのは子どもたちだと訴えた。「これまで遊び場であった通りに死体が転がっている」「多くの子どもたちが、ガザの状況から精神的な外傷を受けている」と語った。オープン・ドアーズは、ガザの状況を伝えた教会指導者の名前を公開していない。
170万人いるガザの人口で、キリスト教徒は数百人から3000人程度と見られている。今月1日には、イスラエル軍による警察署を狙った攻撃で、通りの向かい側にあったバプテスト教会が被災、数十人が犠牲なったという情報が入っている。教会は、窓が吹き飛ばされほぼ全壊状態だという。
国連人道問題調整事務所(OCHA)の発表によると、8日までにOCHAが確認したパレスチナ人犠牲者は758人で、そのうち子どもが257人、女性が60人に上るという。
オープン・ドアーズのカール・メラー会長は、「世界中の軍事投機家や政治投機家が予測するよりも、イスラエルとパレスチナの間の戦争が早く終わり、少しでも被害が抑えられるよう祈ろう」などと、ガザのために祈るよう呼びかけた。