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希望の年 佐々木満男

2022年1月14日16時24分 コラムニスト : 佐々木満男
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1. 少年の希望

2022年の私の抱負は、「希望」である。

「おじいちゃん、おばあちゃん、ちょっと座って。ボク、重大な話があるんだ!」。小学校5年生のA君から突然そう言われた祖父母は、「いったい何事か」と驚いて、A君の前に神妙に正座した。「よく聞いて、ボク今日、パパと一緒に弁護士の佐々木さんに会ってきた。いろいろお話を聞いて、ボク決心したんだ。将来は弁護士になるって!」そんな大胆な態度をとったことがなかった孫が、目を輝かせて自分の希望を表明したことに、祖父母は非常に感動した。

数カ月前、息子さんのA君を連れた知人が、東京渋谷にある私の事務所を訪れ、3人で雑談した。「佐々木さんはどうして弁護士になったのですか?」とA君に聞かれた。「実は、なるつもりはまったくなかったんだ。人と争うのが嫌いで、人前で話をするのが一番苦手だった。だから、自分の職業選択肢に弁護士は一度も入っていなかった」

「じゃあ、どうしてなったのですか?」「うん、いろいろ事情でやむを得ずなってしまった。だから、早ければ3カ月、長くても3年で辞めて自分の好きな仕事をするつもりだった。でも、結局、50年も弁護士を続けている。今では、神様が初めから弁護士になるように導いてくださったことがよく分かります」

その後、調子に乗った私は、弁護士の体験談や、海外留学生活や、日本と外国の比較などを2時間以上も話してしまった。特に、神を信じて自信を持って生きること、何事にも全力を尽くすこと、日本を愛して国家と国民のために、そして世界のために貢献することなどを強調した。

知人から、その後のA君の生活態度の激変ぶりを聞いて私の方がびっくりしている。たった1回だけ私の話を聞いて、A君が明確な希望を持ってくれたのだった。

2. 希望とは何か

中国との戦争の危険を含む日本の政治・経済・社会は混とんとし、最近のコロナ禍で学校にも行けなくなった子どもの自殺が増えている状況で、若者たちの将来への希望はますます薄れていくのではないか。

そんな中でA君は私の一言で希望を持ち、見違えるように元気になった。そこで、「希望とは何だろうか?」と考えてみた。確かに日本の将来に明るい見通しはない。でも、「希望」とは、自分が将来に対して何を願うかという強い意志ではないだろうか。

例えば、「あなたの病気は悪くなる一方です。治る見込みはありません」と医師から告げられたら、患者は自分の将来に「期待」できないから諦めるよりほかない。でも、「どうしても治るんだ!」という「希望」を持てば、強く生きるように生き方が変わってくる。

今、日本の若者に必要なのは、「期待」ではなく「希望」である。自分の人生と日本の将来についての明るい希望である。希望には、暗い状況を押しのけ、明るい将来を実現していく力がある。

欧米諸外国の植民地支配政策により国家存亡の危機に遭遇した幕末の混乱時において、吉田松陰のもとに、名もない憂国の青年たちが集まってきた。松蔭によって燃えるような希望を吹き込まれた青年たちは、志士として立ち上がり、日本を救うために命を懸けて戦い、明治維新を実現した。

「わたしがあなたがたに対していだいている計画は…あなたがたに将来を与え、希望を与えようとするものである」(エレミヤ29:11)

「希望の神が…あなたがたを…聖霊の力によって、希望にあふれさせてくださいますように」(ローマ15:13)

◇

佐々木満男

佐々木満男

(ささき・みつお)

弁護士。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL. M)。インターナショナルVIPクラブ東京大学顧問。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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